新卒の3割が3年以内に会社を辞めているといわれ、既に転職が珍しくない時代です。しかし親として、いざ自分の子供に「転職したい」「仕事を辞めた」と言われると、きっと心配なはずです。
転職は、子供たちの世代にとっては、(親の世代より)自然な選択。もしかしたらお子さんから転職の報告や相談が受ける日がくるかもしれません。それに備え、親として、転職を含めたお金の視点について今から伝えておきたいことがあります。
伝えたいこと1──転職にもお金がかかる(辞めなくても解雇や倒産のリスクがある)
20代一人暮らしの生活費は平均約15万円かかるといわれます。にもかかわらず、離職者の約4人に1人は決まらないまま仕事を辞めています。
即転職できればいいのですが、失業保険も自己都合の場合は受給制限が3ヵ月ありますし、転職してから最初の給与までには期間が空きます。生活費や支度費を想定すると、少なくとも生活費15万円×4カ月分=60万円は必要です。
たとえ離職・転職はせずとも、解雇や倒産で転職先を探さざるを得なくなる可能性もあります。そうした万が一のときに備えて、「蓄えをつくっておかなきゃ」と思わせたいところです。
伝えたいこと2 ──1日でも「無職」になると年金・健保の負担が発生する
離職から次の入社までに1日でも空くと、国民年金と健康保険の保険料を負担しなければいけなくなります。
企業に所属していれば、厚生年金や健康保険の保険料は企業が半分負担してくれますし、給料天引きなので負担に感じないでしょう。
無職になると、年金は国民年金に変更となり全額自己負担、健保は任意継続できますが保険料が全額自己負担になります。住民税の負担もあります。
年金保険料の免除や納付猶予には退職理由についての審査もありますので楽観はできません。親の扶養に入れようとしても、親子それぞれの収入面の制限もあります。
もし1日も早く離職する必要があるといった状況でないなら、無職期間の負担増についても知った上で、離職・転職のタイミングをはかったほうがいいでしょう。
伝えたいこと3──転職すると生涯賃金が低がるリスクが高くなる
新卒で正社員になった人が、転職後も正社員になれるのは男性で6割、女性では3割を切ります。非正規・フリーランスでも稼ぐ人は多いですが、日本の現状では正社員として働くほうが安定していますし、生涯賃金も高くなると見込めます。
そもそも退職金がもらえる企業であっても、数十年と長く働かないと、老後資金のあてにできるような、まとまった額になりません。
若いうちはあまり先々のこと、細かいことを考えずに離職、転職を考える人も多いでしょう。転職してキャリアも給料もアップできる人もいますが、必ずしもそうなるとは限りません。親として、転職のアドバイスはできなくても、人生でかかるお金のことについて、またその考え方、視点については、教えておきたいものです。
(2021年11月13日公開記事)
文/編集・dメニューマネー編集部
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