プロ野球・日本ハムファイターズの新監督に新庄剛志氏が就任するサプライズを受け、株式市場では日本ハムの株価が上昇した。思えば2021年の野球シーズン中、エンジェルスの「大谷関連銘柄」も盛り上った。株式市場は「ご祝儀商い」や「連想ゲーム」が大好きだ。

新庄効果期待で「日ハム」と「ゼット」が上昇

監督就任の記者会見が行われた11月4日、日本ハム <2282> の株価は「新庄期待」から1.5％上昇した。新庄監督が赤いスーツ姿で登場し、ユニークでインパクトのある会見をマスコミ各社が報道したことで翌5日も2.6％高と続伸した。

野球に強いスポーツ用品メーカーのゼット <8135> も新庄監督が現役時代にグロープを使っていたことから連想買いが入り、4日間で15％も上昇した。11月11日発表の22年3月期中間決算では、売上高、経常利益ともマイナスだった前年同期から黒字。その後株価は上昇している。

新庄監督が赤いジャージ姿で沖縄の秋季キャンプに登場すると、ジャージがSNSですぐに特定され、メーカーのWebサイトの閲覧は急増、問い合わせ電話も相次いだという。新庄効果はこれからも続きそうだ。

株式市場は連想ゲームが大好き　大谷効果でデサントは2.5倍！

株式市場は、「風が吹けば桶屋が儲かる」という連想ゲームが大好きだ。

2021年の野球界でもっとも話題をさらったのは大リーグのロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平選手だろう。大谷コレクションを展開しているスポーツ用品メーカーのデサント <8114> の株価は、大谷選手がホームランを連発し始めた6月に82.6％高と急騰した。

11月には過去最高値を更新、5月末比で2.5倍になった。ウェア類のアドバイザリー契約をしているアシックス <7936> 、大谷モデルの腕時計を販売しているセイコーHD <8050> 、プロテイン飲料サバスのCM出演している明治HD <2269> なども注目された。

マスターズで松山英樹が日本人初のゴルフメジャーを制覇すると松山使用のドライバーであるスリクソンを提供している住友ゴム <5110> などのゴルフ関連銘柄が注目された。東京五輪でもスケートボードストリートで男女がダブル優勝するとスケートボード販売のモリト <9837> 、柔道や競泳で金メダルをとるとウェア提供のミズノ <8022> などが物色された。

身近なヒットに株式投資のヒントは転がっている

スポーツだけではない。タピオカブームで販売が急増した業務スーパーを展開している神戸物産 <3038> や「鬼滅の刃コラボ缶」が大ヒットしたダイドーグループホールディングス <2590> 、ウマ娘が大ヒットしたサイバーエージェント <4751> など、イベントや大ヒットで買われる株式も多い。こういった身近なテーマをきっかけに業績が伸びそうな企業を見つけて投資するのも株式投資の醍醐味だ。

(2021年11月16日公開記事）

文・編集・dメニューマネー編集部

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