「愛読書は?」という質問が、企業の採用面接で急増しているという。しかしこれは、求職者の能力や適性に関係がないため“不適切”とされている。面接で聞かれる可能性のある質問のうち、「本当はNG」なのはどのようなものなのだろうか?
「愛読書は?」が就職差別につながる質問に
NG質問に関する発表をしたのは滋賀県教育委員会。就職活動をする高校生を対象とした独自調査によると、昨年度に愛読書を尋ねた事例は、前年度の3倍近くになったという。コロナ禍のお家時間で本を読む機会が増え、趣味を読書と答える生徒が増えたことが理由のようだ。
ただ、能力や適性に関係がない質問は就職差別につながる可能性があり、事業主には公正な採用選考が義務付けられている。面接でよく聞かれそうな「愛読者は?」という質問も、不適切なものに該当する。
このほかにどのような事例があるのだろうか。
面接で聞かれたらやばいかも……NG質問5選
聞かれることが多いと想定されるNG質問として、次の5つが挙げられる。NGである理由も確認していこう。
NG例1 「本籍地はどこですか?」
本人には責任のない事項であり、同和関係者や在日韓国・朝鮮人を排除してしまうことになりかねない。両親の出身地などを尋ねることも不適切とされる。
NG例2 「両親の職業は何ですか?」
就職差別につながる恐れがある。両親が勤めている会社や役職、収入、学歴、共働きかどうかを尋ねることも該当する。
NG例3 「住んでいる家は一戸建てですか?」
生活水準などを判断し、本人の努力では解決が難しい問題を採否決定の基準にする可能性がある。間取りや近郊の施設を尋ねることも不適切とされる。
NG例4 「尊敬する人物は誰ですか?」
本来自由であるべき事項で、基本的人権の侵害につながる。宗教、支持政党、労働組合への加入状況、購読新聞などを尋ねることも該当する。
NG例5 「結婚・出産しても働き続けられますか?」
女性に限定しての質問は、男女雇用機会均等法に抵触する質問である。
NG質問をする会社は「NG」?
NG質問のなかでも特に多いのが、家族に関する事項だという。適正・能力以外の事項を質問された事例797件のうち、家族に関する事項は46.9%と約半数を占めることが分かっている(2020年度、ハローワーク調べ)。
面接は、企業が求職者を判断するためだけのものではない。上で紹介のようなNG質問を把握しておけば、求職者は面接を通じて企業の意識を判断できるだろう。こんな質問をする会社は入るのを止めておいたほうがいいかも?
(2021年11月18日公開記事)
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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