200種類以上ある日本の国家資格。医師や弁護士のほか、保育士や理容師も代表的な国家資格の一つだ。ではこうした中で最も平均年収が高い国家資格は何だろうか。高年収と言えば医師や弁護士のイメージだが、本当にそうなのだろうか。ランキングを紹介しよう。
国家資格を有する職業の平均年収ランキング
職種別の月給とボーナスの金額が、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」の令和元年(2019年)版に掲載されている。
この中から国家資格を有する職業を抜き出し、ランキング化してみた。以下がその結果だ。月給の12ヵ月分にボーナスの金額を足して平均年収を算出し、平均年収が高い順に並べた。
国家資格を有する職業の平均年収ランキング | |
---|---|
職業 | 平均年収 |
航空機操縦士 | 16,946,100円 |
医師 | 11,692,300円 |
不動産鑑定士 | 7,545,900円 |
弁護士 | 7,285,600円 |
一級建築士 | 7,028,800円 |
公認会計士・税理士 | 6,835,500円 |
電車運転士 | 6,188,000円 |
獣医師 | 5,715,600円 |
歯科医師 | 5,701,000円 |
薬剤師 | 5,616,500円 |
診療放射線技師・診療エックス線技師 | 5,019,500円 |
社会保険労務士 | 4,860,200円 |
看護師 | 4,829,100円 |
臨床検査技師 | 4,612,200円 |
理学療法士・作業療法士 | 4,096,400円 |
准看護師 | 4,030,400円 |
歯科技工士 | 3,847,900円 |
歯科衛生士 | 3,704,800円 |
保育士 | 3,634,600円 |
栄養士 | 3,565,000円 |
調理師 | 3,413,400円 |
理容師・美容師 | 3,114,000円 |
1位は「事業用操縦士」という国土交通省所轄の国家資格が必要な「航空機操縦士」となっている。平均年収は約1,694万円だ。
弁護士より給料が高い国家資格「不動産鑑定士」
記事の冒頭で触れた「医師」は2位で1,169万円、「弁護士」は4位で728万円。弁護士より平均年収が高く3位にランクインしたのは「不動産鑑定士」で754万円だった。
不動産鑑定士は、土地や建物などの不動産の価値を評価することが可能な国家資格だ。弁護士より平均年収が高いというのは、少し意外ではないだろうか。
10年後、20年後はランキングが大きく変わっている?
最後に、国家資格を有する職業に就く難易度も合わせて紹介しておこう。
「超難関」の試験を突破する必要があるのが、司法試験に合格する必要がある裁判官や検察官、弁護士のほか、公認会計士、税理士、医師、不動産鑑定士などだ。平均年収ランキングと比較すると、超難関の国家試験をパスした職業はいずれも平均年収が高いことが分かる。
ただし、こうした職業の平均年収が今後もずっと高いとは限らない。AI(人工知能)技術が発達すれば、一部の国家資格を有する職業は必要なくなっていくかもしれない。例えば税理士の仕事はAIによって多くが奪われる可能性が指摘されている。
10年後、20年後は、この記事で紹介したランキングの結果が大きく変わっているかも。
(2021年11月21日公開記事)
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
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