「老後の生活費」に不安を持っている人は多いですが、その際に重要なのが、夫婦2人分必要なのか、1人分なのかという点です。全国の65歳以上の世帯のうち、一人暮らしが3割を超えているといいます。老後に一人で暮らす場合、生活費はいくら必要なのか考えてみましょう。年金で足りるのでしょうか?
老後ひとり暮らしの生活費はいくら?
高齢者ひとり暮らしの生活費は平均で毎月約13万3100円です(総務省による)。年金などの収入から生活費や社会保険料を引くと、毎月8000円近い赤字になりそうです。
生活費のうち大きな割合を占めるのが住居費ですが、その平均は1万4000円。つまり、ほとんどが持ち家のようですが、もし賃貸なら家賃の分だけ平均よりも支出が増えてしまいます。
平均的な65歳以上の世帯の生活費はこうなっています。
収入 | 13万7000円 |
---|---|
支出(社会保険料) | 1万1500円 |
支出(生活費) | 13万3100円 |
食費 | 3万6600円 |
住居費 | 1万2400円 |
水道光熱費 | 1万3000円 |
医療 | 8200円 |
交通・通信 | 2万6800円 |
その他 | 3万6100円 |
毎月の赤字額 | 7700円 |
年金はいくらもらえる?
老後の収入の大きな柱と考えられるのが「年金」です。年金はいくらもらえるのでしょうか。
月額の平均は国民年金のみで平均5万6000円、厚生年金は14万4000円でした(厚生労働省)。
厚生年金では給与から一定割合(現在18.3%)が天引きのため、給与の額や勤続年数(加入月数)により年金額も変わります。
国民年金については、自営業者や無職の時期に加入します。そのため国民年金と厚生年金の両方を受け取るケースもあり、年金の支給額には個人差があります。
自分の年金額は誕生月に届く「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で見込み額が分かります。生活費と比べて足りるかどうか確認しておきましょう。
老後は医療費や介護費も増える
老後にかかる費用として考えておかなければいけないのは、医療や介護など、高齢者特有のコストです。ケガや病気のリスクが高まるからです。
先ほどのデータでは医療費の平均で月8200円ですから、年に10万円程になります。
そして介護が必要になると、生活費とは別に介護費用がかかります。
公的介護保険があるため、多くの人にとって負担の割合は1割ですが(9割は介護保険制度でもってもらえる)、手出しの費用もあります。総務省によると、負担分は平均で毎月8万3000円で、年間100万円ほどかかります。
介護施設に入るときも、入所のための一時金が必要です。施設によっては100万円や1000万円かかるケースもあり、まとまった額の備えが必要だといえます。
退職金の確認を
定年時で退職金がどれくらいもらえそうなのかも確認しておく必要があります。
定年退職金の平均は大学卒で2280万円、高卒で1970万円。頼もしい収入となりそうです。
ただしこの額は会社に20年以上勤務した人の平均。しかも減る傾向にあり、20年前に平均3000万円だった退職金が3~4割ほど減っています。
勤務先の退職金制度について早めに調べておきましょう。
老後に向けて不足額を埋めるには
一人暮らしでは自分の収入や貯蓄が頼りです。
つみたてNISAや個人で年金を作るiDeCoは税金免除のメリットがあり、少額からでも貯めやすい方法です。老後に向けてお金のことを早めに計画しましょう。
(2021年11月23日公開記事)
文/編集・dメニューマネー編集部
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