22年2月から看護師の賃金が月4,000円引き上げられることが決まりました。一方で対象や引き上げ幅は限定的で、十分でないとの声も上がっています。彼らを取り巻く環境はどうなっているのでしょうか。
看護師の人数、労働時間、離職率は?
看護師といえば、女性を中心に人気の職業のひとつ。現在日本全国で約130万人が働いていて、その数はここ10年の間右肩上がりに増加しているのが公益社団法人日本看護協会の資料から分ります。
労働環境でいえば、平均労働時間は159時間(所定内)+6時間(時間外)/月。この数字はあくまで調査上ではありますが、ほとんど残業がなく所定労働時間内に収まっています。
そのほか、離職率は11.5%とこちらも一般的な水準とそれほど変わらず、年収も平均で約490万円で、正規雇用のサラリーマンの平均年収503万よりやや少ない程度です。
こうして数字だけを見ると、一般に想像される過酷なイメージと異なり、決して悪い環境ではないようにも見えます。
数字では測れない負担に加え、コロナでさらに過酷な労働環境に
一見悪くないようにも見える看護師の労働環境ですが、実際には数字で測れない過酷さがあります。
病院勤務であれば、夜勤や二交代制、三交代制の不規則なシフトによって拘束時間が長くなるケースが多いほか、人の命を預かる責任の重さもプレッシャーになります。
これらによるストレスは、一般的な企業勤めやオフィスワークにはない看護師特有のものといえます。
今回の賃上げの対象となる、新型コロナウイルス感染症対応の病院に勤務する場合には、さらにそうした負担が大きくなっているようです。
また、感染対策のための特殊なオペレーション、慢性的な人手不足によってほとんど休息が取れず、メンタルヘルスを損なう、バーンアウト状態になるケースが日本看護協会で懸念されています。
現在は病床の圧迫が解消、状況が改善したとは言え、こうした過酷な環境での働きぶりを考えると、月に4,000円の賃上げは確かに十分とは言えないのかもしれません。
(2021年11月25日公開記事)
文/編集・dメニューマネー編集部
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