課税対象の所得がある以上、税法にのっとって納税をするのが国民の義務だ。所得隠しをしている場合、税務調査官があなたの家に突然やってくるかもしれない。そしてケースでは、税務調査官たちはよく「休日の過ごし方」や「趣味」を聞いてくる。なぜだろうか。
税務調査官の鋭い質問4選
税務調査官の仕事は、調査対象者に隠れた所得がないか暴き出すのが仕事だ。そのためには、まず所得隠しをしている可能性が高いか低いか、当たりをつける必要がある。それゆえ税務調査官たちは、何気ない世間話にも聞こえるような質問を調査対象者に投げかける。
「毎日大変ですね。休日はどうやって息抜きしているのですか?」
調査対象者の日々の仕事の大変さに寄り添いつつ、休日の過ごし方を聞いてくる場合、休日にどのようなお金の使い方をしているのか探っているパターンが多い。
調査対象者が「ゴルフ」「旅行」「ヨット」などと回答した場合、収入がかなり多い可能性が高くなる。もちろん、収入が多くてもしっかり納税していれば問題ないが、申告した金額が明らかに少なすぎるようだと、要注意人物だと見なされる確率が高くなる。
「そういえば私、美術品集めが趣味でして。おたくの趣味はなんですか?」
趣味を聞いてくる場合も、休日の過ごし方を聞いてくる場合と同じような狙いがある。調査対象者が「クラシックカー」「乗馬」「ワイン」「美術品の収集」などと回答した場合、税務調査官はより詳しい調査をしようと心の中で決意するはずだ。
「資産運用」という回答も、チェックが厳しくなりやすい。資産運用は、まとまった金額の元金がなければ利益が大きくならない。つまり、お金持ちほど資産運用するメリットが大きく、資産運用をしている可能性が高くなる。
「お父様が亡くなられたのですね。どんな方だったのですか?」
調査対象者の親が数年以内に亡くなっていた場合、その故人について聞いてくる税務調査官もいる。「不動産投資が趣味で…」「晩年も海外旅行をたくさん行っていて…」と回答すると、故人からある程度大きな資産を相続した可能性を疑われるかもしれない。
「最近地酒にはまっていまして……。行きつけの店とかありますか?」
仕事帰りなどに飲みに行く場所からも、その人の所得が予想できる。年収1,000万円以下の人では、高級料亭や高級クラブに足しげく通うことは難しい。そのために税務調査官は、何気なく行きつけの店を聞きだそうとする。
いつでも堂々としていられる立場でいよう
このように、税務調査官はさまざまな角度から、適正な納税をしているのかどうか、探りを入れてくる。重要なことは、この時点であたふたするのではなく、しっかりと納税義務を果たし続けることだ。そういう状態であれば、何でも正直に回答すればいい。
もちろん、節税に関するさまざまなテクニックが世の中にはあるが、悪意ある所得隠しはしてはいけないことだ。この記事では凄腕の税務調査官がする質問を紹介したが、そんな質問にもいつでも堂々としていられる立場でいたい。
(2021年11月25日公開記事)
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
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