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富裕層の買い物は派手?地味?両極端の意見が混在する理由

2022/01/30 08:15

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「富裕層の生活は実は質素だ」とよく言われます。 しかし、消費関連のニュースを見ると「高額の不動産、宝飾品、嗜好品が富裕層に飛ぶように売れており……」という話も聞きます。なぜ両極端の意見が混在するのでしょうか。 筆者は「東京の私立御三家幼稚園→私立御三家小学校→以後大学までエスカレーター進学」という典型的なお受験ルートを

「富裕層の生活は実は質素だ」とよく言われます。

しかし、消費関連のニュースを見ると「高額の不動産、宝飾品、嗜好品が富裕層に飛ぶように売れており……」という話も聞きます。なぜ両極端の意見が混在するのでしょうか。

筆者は「東京の私立御三家幼稚園→私立御三家小学校→以後大学までエスカレーター進学」という典型的なお受験ルートを通ってきたため、幼少期からたくさんの富裕層を見てきました。また、大学卒業後は野村證券の営業マンとして、現在はファイナンシャル・プランナーとして、多くの富裕層を見てきました(延べ1,000人以上)。

富裕層は星の数ほど存在するため、人によって状況は異なることは前提のうえで、「なぜ両極端の意見が混在するのか」について解説していきます(なお本稿は筆者の個人的見解であることをご了承下さい)。

「セルフメイドリッチ」と「バトンタッチ」

「富裕層の生活は質素だ」「富裕層は派手な消費をしている」といった両極端な意見は、実はどちらも正解です。富裕層といってもいくつかの属性や種類があり、それらによって消費マインドは全く違います。

例えば、富裕層を「富裕層になった方法」で大きく切り分けてみると、1代で富を築いた「セルフメイドリッチ」と、代々の資産家である「バトンタッチ」の2つがあります。

あくまで筆者の経験則ではありますが、セルフメイドリッチは、お金を持った段階で一度は消費スタイルや生活様式が派手になり、段々とそれらが落ち着いていく人が多いです。

自分がお金持ちになったことを確かめる儀式も兼ねて、「銀座にて一晩で200万円を使った」「キャッシュでフェラーリを買った」といった派手な消費を繰り返し、段々とそれに満足して(飽きて?)消費が落ち着くのです。

一方、バトンタッチリッチは幼少期から豊かな生活を送っていることが多いため、消費や生活は比較的落ち着いている人が多い印象です。

もちろん、生活費の絶対値は高いケースが多いのですが、腕時計はいかにも高そうなゴツゴツしたものではなく控えめでシンプルなものであったり、タワマンではなく重厚な低層レジデンスに住んだり、車はポルシェではなくレクサスだったりします。

「キャッシュフローリッチ」と「ストックリッチ」

他にも、消費が顕著に分かれるパターンがあります。富裕層を財務諸表観点で見ると、大きく「キャッシュフローリッチ」と「ストックリッチ」に分けることができます。

前者は年間のキャッシュフローが厚い(平易に言えば年収が高い)タイプの富裕層で、後者はストック(資産)が潤沢なタイプの富裕層です。

面白いことに、キャッシュフローリッチは消費が派手、ストックリッチは消費が地味、と綺麗に分かれます。「収入が高いのだから当たり前じゃないか」と思うかもしれませんが、資産が大きくても、この傾向は顕著に現れます。例えば、以下の2人がいたとしましょう。

ストックリッチのAさん

資産10億円、年収1,200万円、2代目ビルオーナー

キャッシュフローリッチのBさん

資産1億円、年収4,000万円、開業8年目の開業医

資産額で言えば、Aさんのほうが圧倒的に富裕層です。Bさんは年収が高いとはいえ、Aさんの資産額に追いつくためには、あと何十年とかかるでしょう。

しかし、消費傾向で言えば、Bさんのほうが派手になることが大半です。不思議なもので、人間は、目の前のキャッシュフローがあれば派手に使いますが、築き上げた資産を取り崩してまでは消費(浪費?)しない生き物なのです。

所得が上がったときの行動が資産形成に大きな影響を与える

このことは、一般人の資産管理に大きなヒントを与えてくれます。それは、「人間は所得が上がると、そのお金で消費をしたくなり、なかなか貯蓄に結びつかない」ということです。

よく「年収が1,000万円になっても、それに応じて生活水準も上がりやすいため、意外とお金はなかなか残らない」と言われます。反対に言えば、所得が上がったときにグッと消費を我慢して、上がる前の生活水準を維持していけば、大きな差別化要因になり、少しずつ富裕層に近づくというわけです。

ここまで、「なぜ富裕層の消費には派手と地味の両極端の意見が混在するのか」について解説してきました。富裕層といってもいくつかの属性や種類があり、それらによって消費マインドは全く違います。「富裕層は〜〜」と一括りに考えないようにしたいものです。

(2021年11月26日公開記事)

文・菅野陽平(ファイナンシャル・プランナー)

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