介護が必要になる原因の第1位は認知症です(内閣府データ)。また、2060年には65歳以上の3人に1人が認知症になるともいわれています。認知症や介護は決して他人事ではありません。認知症でかかるお金を把握し、必要な備えをしておきましょう。
認知症になったらかかるお金
まず認知症の「検査」にかかる費用はどれくらいなのでしょうか。検査の種類によりますが、診察を含めて数千円から数万円の検査費用がかかるようです。
認知症の検査費用の相場 | |
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神経心理 | 200~850円 |
CT | 5,000~7,000円 |
MRI | 5,000~8,000円 |
SPECT | 2万~3万円 |
次に診療が始まってからかかる「医療費」を確認してみましょう。3割負担とすると、外来医療費は年間14万円、入院医療費は年間124万円です。幻覚や異食などの症状が深刻化した場合、認知症治療病棟に入院することもあります。
認知症の医療費の相場 | |
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外来医療 | 3万9,600円/月 |
入院医療 | 34万4,300円/月 |
そして「介護」にかかる費用も確認してみます。
認知症の介護費用の相場 | |
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在宅介護 | 219 万円/年 |
施設介護 | 353万円/年 |
1割負担とすると、在宅介護費は年間22万円、施設介護費は年間35万円です。施設入居では要介護度が上がり、介護費が高くなっていると考えられます。
また、有料老人ホームや高齢者住宅などの施設に入居する場合、月額6~40万円ほどの費用がかかります。施設にもよりますが、入居時に数十万円から数百万円の一時金がかかるケースもあります。
認知症に備えるには?検討したい3つのこと
認知症に備える方法として、貯蓄以外に「認知症保険」があります。認知症保険では、認知症で要介護状態になった時に給付金を受け取れます。
また、「公的制度」についても理解を深めておきましょう。介護保険サービスでは1割負担でホームヘルパーやデイケアを利用できますし、高額療養費制度では高額になった医療費が戻ってきます。
何より大切なのは、家族で認知症になった場合について話し合っておくことです。お互いに協力してお金の備えや心構えをしておくことで、その時がきても落ち着いて対処できるでしょう。
(2021年11月25日公開記事)
文・木崎涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
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