コロナ禍で、宿泊業やサービス業を中心とする業界が打撃を受け、働く人の年収にも影響が出ているとされるが、実際に年収はどれほど変化しているのだろうか。コロナ後に、どのような家計支出が見直されるようになったのかについても見ていこう。
コロナ前後で「年収」はどう変化した?
明治安田生命は2021年3月、全国の20〜79歳の既婚男女1,620人を対象に「家計」に関するアンケート調査を実施。この調査によれば、前年同時期と比較して「年収が下がった」と回答した人は17.7%、「将来下がる(と感じる)」と回答した人は19.6%で、全体の約4割が年収の減少を実感していることが分かった。
そこで気になるのが、年収がどのくらい変化したかということだ。
2020年における日本の平均年収は、前年比0.8%減の433万円だった(国税庁の民間給与実態統計調査)。この数字だけを見ると、そこまで大きな影響が出ていないと感じるかもしれないが、ボーナスの面ではコロナ禍の影響が顕著だ。
ボーナスの平均支給額は、前年比8.1%減の65万円で、リーマンショック後に続く大幅な下げ幅となった。これは、宿泊業やサービス業の業績悪化などが起因しているのかもしれない。
貯金額減少も「年収減少」が一番の理由ではない?
貯金額は、年々増加傾向にあったが、2021年は3年ぶりに減少し、前年比173万円減の1,339万円となった。
年収が下がった人もいるから当然と思うかもしれないが、実は貯金額が減少した理由を、コロナ禍の支出増加とする人の割合が最も多いことが分かっている(株式会社ライボ「2021年 年収と貯金額調査」)。
コロナ禍でお家時間が増えたことで、水道光熱費や、食費がかさむことも予測されているが、制限のある生活のなかで贅沢志向を持つ人が増え、結果的に支出額も増加傾向にあるのかもしれない。
見直されている支出は「夫のおこづかい」
コロナ後は、夫のおこづかいが見直されているようだ。
夫婦全体のおこづかいの平均額はこの3年ほどで横ばいだが、2020年における妻のおこづかいは前年比約600円増の1万9,049円だったのに対し、夫は約4,000円減の3万3,720円だった。
そして、2021年における夫のおこづかいは、前年からさらに約1,700円減少して3万2,061円となった。年収が下がったときに一番最初に見直される支出は、果たして夫のおこづかいなのだろうか。
(2021年11月29日公開記事)
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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