転居日が1日違うだけで住民税の税額が変わることがあります。会社員であれば給与天引きされる額が、個人事業主やフリーランスであれば納付書に記載される額が、変わるかもしれません。どんな場合にどれくらい税金が高くまたは安くなるのでしょうか。
住民税は1月1日に住んでいる自治体で払う
住民税は自治体に住んでいる人が都道府県や市区町村に払う税金です。1/1の住所地で納めます。12月中に引っ越して1/1時点で転居済であれば、引っ越し後の自治体が納付先です。
1/2以降に住所が変わった場合は、引っ越し前の自治体に住民税を払います。仮に転居前の自治体に住所があったのが1/1だけで、1/2~12/31は引っ越し先で生活した場合でも、長く過ごした転居後の自治体で払うわけではありません。
自治体によって住民税の税額が変わる場合がある
住民税の計算方法は多くの自治体で同じですが違う場合もあります。つまり1/1に住む自治体が違うと税額が変わることがあるのです。
たとえば、神奈川県横浜市から愛知県名古屋市に引っ越す場合、1/1に転居済であれば名古屋市、転居日が1/2で1/1は横浜市在住であれば横浜市で納税します。
2021年度 | 横浜市 | 名古屋市 |
---|---|---|
所得割 | 10.025% ―県民税2.025% ―市民税8% |
9.7% ―県民税2% ―市民税7.7% |
均等割 | 6,200円 ―県民税1,800円 ―市民税4,400円 |
5,300円 ―県民税2,000円 ―市民税3,300円 |
住民税には所得割と均等割の2種類あり、所得割は前年の所得額に応じて決まる額、均等割は所得に関係なく均等に課される額です。
所得割の税率は名古屋市が横浜市より0.325%低くなっています。税額がいくら違うかは所得額などで変わり、たとえば年収が500万円、扶養控除などの控除を引いた後の額が250万円であれば、約8000円(250万円×0.325%)安くなります。
均等割は名古屋市が900円安いので、1/1時点で名古屋市に住むほうが、所得割と均等割の合計で9千円ほど安くなる計算です。
引っ越しには費用がかかりますが、転居日を変えると住民税を安くできて家計負担を軽くできる場合があります。所得割の税率や均等割の金額は自治体サイトに掲載されていることが多いので、税額がいくら変わるか確認してみましょう。
(2021年11月28日公開記事)
文・大垣秀介(マネーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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