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夫婦で年収1400万円以上のパワーカップルが一番おいしい理由と死角

2022/02/05 06:45

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夫婦で年収1400万円以上の世帯、いわゆる「パワーカップル」という言葉をメディアで見かけます。日本の税制や政策が「パワーカップル」に有利な面がたくさんあるからですが、おいしさの裏には死角もあります。 住宅ローン控除のメリットは1000万円 パワーカップルの最大のメリットは住宅ローン控除です。夫婦ともに収入があるので、高

夫婦で年収1400万円以上の世帯、いわゆる「パワーカップル」という言葉をメディアで見かけます。日本の税制や政策が「パワーカップル」に有利な面がたくさんあるからですが、おいしさの裏には死角もあります。

住宅ローン控除のメリットは1000万円

パワーカップルの最大のメリットは住宅ローン控除です。夫婦ともに収入があるので、高額のローンでも審査が通りやすいだけではなく、それぞれがローンを利用すれば、夫婦ともに住宅ローン控除を受けられます。

条件によって控除額、控除期間は異なりますが、それぞれが50万の控除を10年間受けると、総額は1000万円になります。

控除額は住宅ローンの年末残高の1%です。現在の住宅ローンの金利水準はそれを下回っていますから、支払う金利よりも、税金の還付のほうが多いというおいしい状態です。

“鬼の税率”40%も恐くない3000万円控除

都心の高額物件は人気が高く値上がりしています。

売却益が出ると、通常、所有期間が短い場合の税率は40%という高い水準です。まさに“鬼の税率”です。しかし、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」を使えば、譲渡所得から最高3,000万円まで控除を受けられます。これは所有期間には関係ありません。

仮に短期間の所有で譲渡益が3000万円あれば、1200万円の税金が課せられますが、特例を使えば譲渡益はなかったことになります。税金を払う必要はないのです。

このように、パワーカップルなら審査が通りやすく、高額な人気物件を手に入れられるだけでなく、税金の還付もたっぷり受けられます。値上がりすれば、税金を気にせずにまた新たな物件に移り住めます。

パワーカップルにも死角あり

このように、パワーカップルがおいしいのは事実ですが、慎重に考えなければならないリスクもあります。

配偶者が失業したり、出産や育児で仕事を継続できなくなったりしてもローンの支払いは続きます。

夫婦それぞれにローンを組むと、所有権は夫婦の共有になります。離婚した場合など、売却が難しくなることもあります。

住宅ローン減税の控除を減らすべきではないかという意見が出ています。将来も減税のメリットを享受し続けることができるかは分かりません。

メリットばかりに目が行き、リスクに対する備えがなければ、「おいしい」どころか「負のスパイラル」に陥りかねません。

文・高村阿木夫(現役銀行員のマネーライター)
編集・dメニューマネー編集部

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