家庭で使うガスには、主に都市ガスとプロパンガス(LPガス)がある。普段何気なく使っているガスだが、これらの2つにはどのような違いがあり、どちらがお得なのだろうか。
都市ガスとプロパンガスの違い
都市ガスとプロパンガスには、次のような違いがある。
都市ガス | プロパンガス | |
原料 | 液化天然ガス | 液化石油ガス |
重さ | 空気より軽いため、ガス漏れ警報器は天井付近に設置 | 空気より重いため、ガス漏れ警報器は床付近に設置 |
発熱量 | 10,750kcal/m3 | 24,000kcal/m3 |
供給方法 | 地下のガス管を通じて供給 | ガスが入ったボンベを配送 |
供給エリア | 都市部中心 | 全国各地 |
都市ガスとプロパンガスは、そもそも原料が異なる。都市ガスは液化天然ガスを使用し、プロパンガスは液化石油ガスを使用している。
原料が異なるので性質も違う。都市ガスは空気より軽く、ガスが漏れた際には天井付近にたまるため、ガス漏れ警報器は天井付近に設置される。プロパンガスは空気より重いため、ガス漏れ警報器の設置位置は床付近だ。
また、それぞれの発熱量(火力)を比べると、都市ガスよりプロパンガスのほうが2.23倍高い。これは、例えばお湯を沸かすときに、プロパンガス使用量が都市ガスの2分の1未満で済むことを意味する。
そのほかに大きく異なるのが、供給方法と供給エリアだ。都市ガスは、地下のガス管を通じて、利用者が多い都市部を中心に供給されている。一方でプロパンガスは、事業者によってボンベが配送され、全国どこでも供給可能だ。
都市ガスとプロパンガス、どちらがお得?
都市ガスでは、ガス管が一度設置されれば自動供給できるが、プロパンガスでは、毎回ボンベの配送が必要で配送費や人件費がかかる。そのため、同じ体積のガス価格を比較した場合、プロパンガスは都市ガスの1.8〜2倍ほどと言われている。
この数字だけ見ると、都市ガスのほうが圧倒的にお得と感じるかもしれないが、前述のように発熱量に約2倍の差がある他、地方都市では都市ガスの価格が高い場合があるので、一概に都市ガスがお得とはいえない。
ただ、都市ガス小売は2017年に全面自由化となったのに対し、プロパンガスはずっと昔から自由料金制だったため、ガス会社ごとの価格差が大きい傾向にある。
ガス代を安くする方法とは?
2つのガスのどちらがお得かは、使用量や住む地域によって変わってくるが、料金を安くするにはガス会社の見直しが不可欠だ。
電気とガスのセット契約で割安になるプランへの変更や、現在契約している会社よりも低価格でガスを供給している会社への乗り換えなどにより、ガス代の大幅な節約につながるかもしれない。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
【関連記事】
・「年金」いくらもらえる?「月20万円」で足りる?
・初心者向け!ネット証券オススメランキング(外部サイト)
・「預金がおろせない?」銀行員が教える、親の生前にやるべき3つのこと
・株主優待をタダ取りする裏ワザとは?(外部サイト)
・12月に育休を取るとボーナスの手取りが増える?