スウェーデン発祥のイケア。日本に進出後、店舗数を増やしている。そんなイケアを迎え撃つのが、日本企業のニトリ<9843>。両社の戦いの行方が気になるところだが、平均年収の対決では現時点ではどちらに軍配が上がるのか。外資企業のイケアが上?
平均年収対決はニトリに軍配
両社の正社員の平均年収をクチコミベースで比較してみよう。社員クチコミサイト「オープンワーク(OpenWork)」の調べによると、イケア・ジャパンとニトリの平均年収は以下の通りとなっている。
イケアとニトリの平均年収の比較(クチコミベース) | ||
---|---|---|
企業 | 平均年収 | 年収範囲 |
イケア・ジャパン | 374万円 | 120万〜800万円 |
ニトリ | 502万円 | 240万〜1,500万円 |
オープンワークによれば、イケア・ジャパンの平均年収は374万円、ニトリの平均年収は502万円で、ニトリのほうが128万円高い結果となった。ちなみに以下が年齢別の両社の平均年収だ。年齢が上がるに従って、差が開く結果となっている。
年齢別の平均年収の比較(クチコミベース) | |||
---|---|---|---|
年齢 | イケア・ジャパン | ニトリ | 差 |
25歳 | 266万円 | 417万円 | 151万円 |
30歳 | 347万円 | 538万円 | 191万円 |
35歳 | 357万円 | 641万円 | 284万円 |
40歳 | 371万円 | 700万円 | 329万円 |
イケアは赤字続き、一方のニトリは?
いまのところ平均年収ではニトリに軍配が上がっているが、今後はどうだろうか。平均年収を上げるためには、業績の向上が欠かせない。過去の両社の最終損益の推移から、今後の業績を占ってみよう。
両社の最終損益の推移 | |||
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企業名 | 2018年 | 2019年 | 2020年 |
イケア・ジャパン | ▲30億円 | ▲8億円 | ▲33億円 |
ニトリ | 642億円 | 681億円 | 713億円 |
各年の最終損益では、イケア・ジャパンは赤字続きの上、損失額は2018年と2020年を比較すると増えている。一方のニトリは黒字を計上しており、純利益の額を増やし続けている。
こうした現状をベースに考えると、まだ当面、平均年収ではニトリが上という状況が続きそうだ。
熱烈なファンが多いイケア、いずれニトリに勝つ?
ただし、イケアに関しては熱烈なファンも多く、現在は日本国内で13店舗しか展開していないが、巨大な店舗空間や商品の安さに魅力を感じ、遠方からイケアの店舗を訪れる客は少なくない。
イケアが今後ある程度の期間をかけながら日本国内で店舗数を増やしていき、赤字も解消されれば、いずれは平均年収でニトリを追い抜く日が来るかもしれない。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
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