かつて一世を風靡したSNS「mixi」。FacebookやTwitterの登場でユーザー離れが進んだが、運営会社のミクシィ<2121>はその後、スマホゲームの「モンスト」の大ヒットで見事な復活を遂げた。恐らく同社の平均年収もかつての水準に戻っているのでは。調べてみよう。
ミクシィの平均年収の推移は?
ミクシィ社が株式上場したのは2006年。上場後は有価証券報告書を毎年公表しており、報告書の中で従業員の平均年収と従業員数が紹介されている。以下がそれぞれの推移だ。
ミクシィ社の平均年収と従業員数の推移 | ||
---|---|---|
年 | 平均年収 | 従業員数 |
2007年 | 5,269,000円 | 79人 |
2008年 | 5,059,000円 | 170人 |
2009年 | 5,816,000円 | 226人 |
2010年 | 6,279,000円 | 259人 |
2011年 | 6,121,000円 | 327人 |
2012年 | 6,165,000円 | 412人 |
2013年 | 6,158,000円 | 410人 |
2014年 | 5,759,000円 | 272人 |
2015年 | 6,914,000円 | 329人 |
2016年 | 7,594,000円 | 431人 |
2017年 | 6,947,000円 | 508人 |
2018年 | 6,658,000円 | 598人 |
2019年 | 6,709,000円 | 844人 |
2020年 | 6,611,000円 | 881人 |
2021年 | 7,358,000円 | 974人 |
mixi全盛期は600万円台、現在は700万円台
mixiのサービスが正式に始まったのが2004年。その後、ユーザーを増やして2006年に上場し、売上高的には2010〜2011年が全盛期だ。その時期、同社の平均年収は600万円台となり、従業員数も順調に増えていった。
その後、冒頭触れた通りmixiはFacebookなどの影響でSNSとして下火になっていくが、先ほど紹介した表の数字を追っていくと、極端に平均年収が下がるということは起きていない。
むしろ2013年にスマホゲーム「モンスターストライク」の提供を開始し、大ヒットしたこともあり、2016年には平均年収が700万円台に。最新データでは同社の従業員の平均年収は735万8,000円となっており、mixi全盛期よりも高い水準となっている。
まるでスラムダンクの三井寿のよう
まとめると、ミクシィ社の従業員の平均年収はmixiのユーザー離れでも大きく落ち込まず、その後のモンストの大ヒットでさらに平均年収が上がる結果となっている。
そして同社の売上高はmixi全盛期の2010〜2011年は年間100億円台だったが、今や1,000億円台となっている。同社に関しては過去のmixiの過去のヒットが強調されがちだが、いまの方がはるかに事業の規模は大きいわけだ。
見事な復活により事業規模も拡大したミクシィ社。過去を乗り越えて大きく成長したその様は、まるでバスケ漫画「スラムダンク」のミッチーこと三井寿のようだ。
かつて中学でMVPをとった三井は、その後、ケガをきっかけに落ちぶれた。しかしブランクを乗り越え、復活した。全国大会での山王戦で安西監督は三井に対し、「今の君はもう十分あの頃を越えているよ」と口にした。
正確に言えば、ミクシィが三井寿のように落ちぶれた期間が明確にあったわけではないが、ミクシィ社の平均年収の推移、そして見事な復活劇をたどった結果、同社と三井寿が重なってみえた。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
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