投資の初心者でも気軽に始めやすいとされる「投資信託」ですが、商品を選ぶ時に見落としがちなポイントがあります。
「テーマ」から選ぶときに見落としがちなポイント
投資信託には「テーマ型」の商品があります。ワクチンなどの医療関連や脱炭素社会、人工知能(AI)、宇宙関連や「EV」(電気自動車)、自動運転など注目の分野に投資する投資信託です。
話題になりやすく人気が出て高値がつくこともありますが、時代のテーマは移り変わります。たとえば「フィンテック」というテーマは最近あまり聞かれません。
投資信託は長期運用に適しているので、人気に左右されるテーマ型を選ぶ際は、「注目度合い」だけでなく、長続きするかどうか」にも目を向けるべきです。
「純資産総額」で選ぶときに見落としがちなポイント
投信の「純資産総額」は、どれだけその投信にお金が集まっているかを示すものです。つまり総額が大きいほど、人気で安定した商品だといえます。
しかし純資産総額が伸びている商品はさらに人気が出やすくなるため、値段も比例してじわじわと高くなりがちです。人気の商品は、「買おうと思ったときにはすでに高値」ということもあります。
逆にこれから大きく値段が上がる商品は、まだ人気と注目がそれほどではないものです。どんなに人気の商品でも、高値づかみすると利益は生みにくいもの。人気だけで買う商品、買うタイミングを決めるのは危険です。
「リターン・騰落率」で選ぶときに見落としがちなポイント
どのくらいリターン(利益)が出たのか、値段が上がったか(騰落率)は簡単に検索できます。
ただ利回り(どれくらい儲かるか)が高い商品は、それだけ下がる可能性・リスクも高いということ。ハイリターンの商品はハイリスク・ハイリターンなのです。
「つみたてNISA」で投信を選ぶときに見落としがちなポイント
「つみたてNISA」で投資信託を買えば、利益が出ても税金(20.315%)はかかりませんが、「手数料」が見落とされがちです。
つみたてNISAで選べる投信には、手数料が無料(ノーロード)が多いため、完全に無料だという感覚に陥りがちですが、無料なのは販売手数料のみ。
投資信託には「信託報酬」という手数料が別にかかります。信託報酬はファンドの運用や管理の費用で、商品を持っている間はずっとかかります。しかも管理費ですので、税金と違って損失があっても払わなくてはなりません。
信託報酬の目安は年に0.5~2.5%ですが、ほんの0.5%違うだけでもずっと持ち続けていると大きな差になります。
例えば毎月1万円の投信積立を10年続けたとして、信託報酬が0.5多いと、手数料が3万円余計にかかります。20年なら手数料の差は10万円を超えます。
つみたてNISAに限らず、投資では多くの人が「手数料」を見落としがちです。同じようなテーマ、規模の投信があるなら、その中で、できるだけ信託報酬の低い銘柄を選んでみてはいかがでしょうか。
文/編集・dメニューマネー編集部 (2021年12月8日公開記事)
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