事業規模が大きな建設会社のことを「ゼネコン」(ゼネラルコントラクター)と呼ぶ。そんなゼネコンの中でも「スーパーゼネコン」と呼ばれる超大手に就職できれば、所得面で言えば周りからは「勝ち組」と言われそうだが、実際のところ、平均年収が1,000万円を超えるゼネコンは何社あるのか。
平均年収が1,000万円を超えるのは3社
ゼネコン業界では、「スーパーゼネコン(大手ゼネコン)」と分類される企業が5社、「準大手ゼネコン」と分類される企業が10社ある。
この両方の計15社のうち、準大手ゼネコンのフジタは平均年収を公表しておらず、その他の14社で平均年収をランキング化すると、次の通りとなる。
ゼネコンの平均年収ランキング | ||
---|---|---|
順位 | 企業名 | 平均年収 |
1位 | 鹿島建設 <1812> | 11,351,777円 |
2位 | 大林組 <1802> | 10,320,957円 |
3位 | 竹中工務店 | 10,072,811円 |
4位 | 大成建設 <1801> | 9,850,653円 |
5位 | 清水建設 | 9,712,000円 |
6位 | 前田建設工業 | 9,272,695円 |
7位 | 長谷工コーポレーション <1808> | 9,237,797円 |
8位 | 五洋建設 <1893> | 8,780,291円 |
9位 | 西松建設 <1820> | 8,662,000円 |
10位 | 三井住友建設 <1821> | 8,636,000円 |
11位 | 東急建設 <1720> | 8,598,726円 |
12位 | 戸田建設 <1860> | 8,584,487円 |
13位 | 安藤・間 <1719> | 8,531,538円 |
14位 | 熊谷組 <1861> | 8,022,288円 |
平均年収が1,000万円を超えるのは、鹿島建設 <1812> と大林組 <1802> 、竹中工務店の3社のみとなる。
ゼネコンは、中堅ゼネコンも合わせれば全国で約2万社があると言われている。その中で平均年収が1,000万円を超えるのは、わずか一握りなのだ。割合にすると0.015%程度だ。
ゼネコンの平均年収は今後どうなる?
ゼネコンの平均年収は今後上がっていくのだろうか。平均年収が1位の鹿島建設と2位の大林組の場合、平均年収は以下のように推移している。
鹿島建設と大林組の平均年収の推移 | ||
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年 | 鹿島建設 | 大林組 |
2021年 | 11,351,777円 | 10,320,957円 |
2020年 | 11,341,472円 | 10,577,092円 |
2019年 | 11,388,415円 | 10,526,558円 |
2018年 | 11,027,792円 | 10,461,547円 |
2017年 | 9,473,671円 | 9,508,041円 |
2017年と比べると、2021年の方が両社とも平均年収が高い。この結果が全てのゼネコンにあてはまるとは言えないが、少なくとも業界大手のゼネコンの場合、平均年収が徐々に上がっていくことが期待されそうだ。
景気や社会情勢で平均年収は大きく変化?
建設業界の企業の業績は景気や社会情勢にかなり左右される。2008年のリーマンショック後は建設市場が大きく縮小し、東日本大震災後は建設需要の増加が続いた。
そのため、もし今後、世界的な経済不況が起きれば、平均年収が1,000万円超えのゼネコンが1社もなくなるということも起き得る。こうした視点も持ち合わせておきたい。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
(2021年12月8日公開記事)
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