住宅ローンでマイホームを買った人が利用できる「住宅ローン控除」は、従来10年使える制度でしたが、21年に13年に延長されました(条件つき)。
しかし、22年の税制改正(22年の4月から)によって1%の控除率が0.7%に引き下げられる可能性が高くなりました。
そうなると、今からローンを組みたい人は急いだほうがいいのでしょうか。それとも来年度を待ったほうがいいのでしょうか。
1%の控除が0.7%になるかも?
住宅ローン控除は、原則、年末時点の住宅ローン残高の1%を所得税または住民税から差し引くことができる制度です。
もともと10年使えましたが、2021年には13年に延長されました(一定の条件を満たした場合に限る)。
さらに国土交通省が2022年度の改正で期間を15年にし、控除率を0.7%にすることを要望しています。
本稿執筆時点(2021年12月8日)の情報としては、1%の控除率を一律0.7%に引き下げ、原則10年としている控除期間は13年のままにする方向で調整に入っているようです。
ただウワサとしては、2020年以前の10年に戻るというものや、控除率が0.4%になるというものもあり、予断を許しません。
早く借りたほうがいいのか 待つべきか
気になるのが、もし22年から「13年、0.7%」になるとしたら、今の制度と比べて損するのか得するのかということ。この点から比べてみましょう。
例えば、2020年以前に住宅ローンを組んで3,000万円の住宅を購入、毎年100万円返済した場合、10年間で受けられる控除額の合計は255万円でした。
2021年以降、期間が13年になった現行の制度では、税額控除の合計は312万円になります。
一方、いまとりざたされている税制改正が実現され、控除期間が13年、控除率0.7%になると、控除額は218.4万円となります。
&nbso; | 控除期間 | 控除率 | 控除額合計 |
---|---|---|---|
20年度まで | 10年 | 1.0% | 255万円 |
21年度現在(現行) | 13年 | 1% | 312万円 |
22年度税制改正が実現すると | 13年 | 0.7% | 218.4万円 |
この比較から分かるように、税制改正前のほうが93.6万円(312万−218.4万円)お得です。
2021年度末の税制改正の行方をチェック
2022年度改正が国交省の要望どおりになれば、22年になる前にローンを借りたほうが得ということになります。
国税庁によると、現時点では22年度改正前にローン借りた人は「13年間1%のまま」とのことだからです。
1%の控除を受けたい人は、4月1日以前に住宅ローンの控除が適用になる条件を満たす必要があります。
また現在の議論では、年末のローン残高が引き下げられるようです。一般の新築住宅の場合、ローン残高が4000万円までが対象でしたが、3000万円に引き下げられ、減税の額は最大400万円から273万円に小さくなる見込みです。
実現するかどうか分かるのは、2022年の2〜3月ごろと見込まれます。近くマイホーム購入を検討している人は、情報収集しながら、損をしないように計画をたて、早く行動できるようにしておきたいものです。
文/編集・dメニューマネー編集部
(2021年12月9日公開記事)
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