銀行員がお客様のお宅を訪問するとき、「こんなところを見ている」というポイントがいくつかあります。銀行員によってもそれぞれ異なるでしょうが、現役行員である筆者のケースをおりまぜながら紹介しましょう。
見るポイント1 車の車種と色(不人気な車種・カラーこそ評価)
高級車の人気モデルに乗っているからといって必ずしも評価が高いとは限りません。高級車に乗っている人はお金に余裕があるのでしょうが、私は自動車については、不人気車の不人気カラーに乗っている人のほうを評価します。
その理由は、下取り価格を気にすることなく、気に入った車種、気に入った色を買える、それだけ余裕があるという証拠だからです。
ご存じのとおり、自動車は人気車かどうかで下取り価格が大きく違います。また、同じ車種でも色による下取り価格の差もあります。それなのに敢えて、不人気な車種や色を選ぶということは、買い替え時を見越して、「高い値がつきやすいから」といって人気の車種や色を選んでおく必要がないということです。
また、高級車を次々と乗り換える企業オーナーも感心しません。人件費を抑える一方で自分が乗る車だけは別という会社は、企業風土に問題があったり、社員のモチベーションが低くなっていたりするからです。
見るポイント2 額縁の中身(とにかく褒める)
顧客宅を訪問した時に真っ先に探すのは額縁です。表彰状から家族写真までさまざまですが、どこの家にも何かあるものです。特に初対面であれば、これを褒めることから会話が始まります。
表彰状や資格試験の合格証なら、どんな経歴の人か、どのような分野に精通しているのか分かります。家族写真からは家族構成やそれぞれの年齢を知ることができます。
そもそも、額縁に入れて飾ってあるのは褒めて欲しいという思いの表れです。まずは褒めることで商談はスムーズに運びます。
見るポイント3 最後の評価・別れ際(信頼関係が分かる)
商談が終わり、お宅の玄関を出た後も、銀行員は最後に重要なチェックをしています。
「どのように送り出してくださったか」をしっかり見ているのです。玄関口までか、門まで出てこられたか、車が見えなくなるまで見送ってくださったか──。これで信頼関係が分かります。
銀行も働き方改革の例に漏れず、お宅を訪ねる機会は減っています。しかし銀行員にとって、お宅訪問はお客様を知る最も良い方法です。それは、お客様からすれば、銀行員に品定めされる機会といえます。銀行員がお宅に来る予定がある人は、この点を思い出していただけたらと思います。
文・高村阿木夫(現役銀行員のマネーライター)
編集・dメニューマネー編集部
画像・maroke / stock.adobe.com(画像はイメージです)
(2021年12月11日公開記事)
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