賃貸住まいは持ち家と比べて引っ越しなどが気軽な反面、注意点として、いつまでも家賃を支払わなければいけないということがあります。給料があるうちはともかく、「定年退職後に家賃が支払い続けられるのだろうか」という不安を抱えている人もいるのではないでしょうか。また「高齢を理由に入居や更新を断られるのでは」と不安があるかもしれません。
「定年後の住まい」が心配な人が知っておきたい方法が2つあります。
解決策1──サービス付き高齢者向け住宅で暮らす
まず高齢者になってからも賃貸住まいを続けたいなら、知っておきたいのが「サービス付き高齢者向け住宅 」(サ高住)です。
サ高住は、対象者が60歳以上の高齢者で、高齢を理由に入居を断られることはなく、契約の更新もありません。室内は高齢者向けのバリアフリー仕様で、月々の家賃の平均は、大都市圏で12.4万円(国土交通省、2019年)。安否確認や生活相談といったサービスも受けられます。
収入が一定以下の人に家賃を補助する自治体もありますので、老後の家賃が気になる人は、補助が出る市区町村を選ぶとよいでしょう。
以前は、デメリットとして入居希望者が多いと抽選になるということがありましたが、国の後押しで、住宅の供給量が増えて、以前に比べて入居しやすくなりました。
ただ、運営する事業者によって、建物や家賃、サービスの水準にバラつきがあるため、実際に現地で確かめて選ぶことが大切です。
解決策2──リバースモーゲージ型住宅ローンで家を買ってしまう
老後の住まいのために、住宅を買ってしまうのも選択肢の1つです。「今から何十年もローンは支払えない」と思うなら、「リバースモーゲージ型住宅ローン」を検討するとよいかもしれません。
リバースモーゲージとは、高齢者が持ち家を担保にして生活資金を借りられる融資制度のこと。契約者の死亡時に家を売って、借りたお金を一括返済する仕組みです。この仕組みを住宅ローンに適用しているのが「リバースモーゲージ型住宅ローン」で、購入する家を担保にして住宅取得資金を借りられます。
毎月の支払いは原則として利息分だけなので、今の家賃より安くなる可能性もあります。亡くなったときに家を売って一括返済するため、ローンが残る心配もありません。
注意したいのは、リバースモーゲージ型住宅ローンの多くが、変動金利型であることです。金利が上昇した場合には、毎月の返済額も増えてしまいます。
■空き家を活用して高齢者専用のシェアハウスも
今後も増えると予想される空き家を、高齢者向けの賃貸住宅やシェアハウスにする取り組みが国土交通省によって進められています。シェアハウスならば、通常の賃貸に比べて家賃も安く抑えられて、高齢者同士の助け合いや安否の確認もできます。同居人との交流もありますので、寂しくない老後になるかもしれません。
老後に賃貸に暮らすのが不安であっても、さまざまな選択肢があります。自分が望むライフスタイルや経済状況を考えながら、老後の住まいをどうするかを考えてみてください。
文/編集・dメニューマネー編集部
(2021年12月16日公開記事)
【関連記事】
・「年金」いくらもらえる?「月20万円」で足りる?
・初心者向け!ネット証券オススメランキング(外部サイト)
・「預金がおろせない?」銀行員が教える、親の生前にやるべき3つのこと
・株主優待をタダ取りする裏ワザとは?(外部サイト)
・12月に育休を取るとボーナスの手取りが増える?