日本には銀行がどれくらいあるかご存じでしょうか。メガバンク4行、信託銀行13行、地方銀行62行、第二地銀37行、その他にネット銀行が16行あります(金融庁が営業を認めている銀行)。複数の銀行に口座を持って、賢く使い分けする必要があります。
メガバンク──海外への送金なども安心して使える
三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行などのメガバンクは、全国に本支店がある日本を代表する銀行であり、利用者にとっては安心感があります。
出張など、日本中を行き来するような人にとってはそのネットワークは魅力です。また、海外にも支店網があり、外国送金も他の銀行に比べ安心し使えるでしょう。
地方銀行、第二地銀──地域・生活に密着
地銀、第二地銀はメガバンクと比べると、営業範囲は限られていますが、地域経済を支えることが経営の使命であり、地域内では店舗ネットワークが充実しており、便利に使えるでしょう。
より地域に密着した商品開発やサービスを提供しています。たとえば特産品を活用した事業を新たに生んだり、町家再生や観光活性化に取り組んだりする銀行もあります。ビジネスを始めたい、運用について聞きたいという相談も、メガバンクと比べてより親しみやすい雰囲気もあるので、気軽にできるのではないでしょうか。
運用や創業など、何も分からないけれどもまずは相談したいという人にとっては、心強い味方になってくれるでしょう。
信託銀行──お金だけでなく不動産なども管理運用してくれる
三菱UFJ信託銀行や三井住友信託銀行など、信託銀行は馴染みが薄く、他の銀行との違いが分からない人が多いかもしれません。しかし、信託銀行には他の銀行にはできない業務があります。それは信託業務と言われるものです。お金だけでなく、株式などの有価証券、不動産、金銭債権など、財産的価値のあるものであればすべて管理、運用できます。
高齢化が進み、遺言や信託に対する注目が高まっています。こうしたサービスに関心を持っている人は、信託銀行の活用を考えてもいいかもしれません。こうした分野ではメガバンクや地方銀行にはないノウハウを持つのが信託銀行です。
ネット銀行──ネットで完結、手数料が安い
店舗を持たず、すべてがネット上で完結するネット銀行も無視できません。住信SBIネット銀行や楽天銀行、イオン銀行などが代表でしょう。振込などの手数料が安いだけではなく、最近ではサービス内容も充実しています。利便性とコストを重視するにはネット銀行に勝るものはありません。
何かのきっかけで口座を作った銀行だけをずっと使っているという人も少なくないでしょう。ただ銀行の種類もさまざまで、それぞれに得意分野と不得意分野があります。目的に合わせた銀行を選ぶとよいでしょう。
文・高村阿木夫(現役銀行員のマネーライター)
編集・dメニューマネー編集部
(2021年12月17日公開記事)
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