趣味として楽しむ人も多いギャンブル。しかし、趣味の域を超えて依存症になると、借金などの経済的問題にもつながりかねないため、医療機関で治療を受ける必要がある。もしギャンブル依存症になってしまったら、治療費はどれくらいかかるのだろうか。
これに該当したらギャンブル依存症かもしれない
そもそもギャンブル依存症とは、ギャンブルなどにのめり込んでコントロールができなくなる精神疾患のこと。
現在では依存症かどうかセルフチェックできるツールがあり、その例として、ギャンブル依存症自己診断ツール「LOST」が挙げられる(公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会より)。過去1年間のギャンブルなどの経験で、次の4つのうち2つ以上が該当すると、ギャンブル依存症の危険性がある。
ギャンブル依存症自己診断ツール「LOST」 | ||
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Limitless | ギャンブルをするときは予算や時間の制限を決めない、決めても守れない | |
Once again | ギャンブルに勝ったときに「次のギャンブルに使おう」と考えている | |
Secret | ギャンブルをしたことを誰かに隠す | |
Take money back | ギャンブルに負けたときにすぐに取り返したいと思う |
あくまで依存症の可能性をチェックするためのツールだが、医療機関に行くかどうかを判断する基準となるだろう。
ギャンブル依存症の治療費はいくら?保険はきく?
医療機関でギャンブル依存症と診断された場合、2020年度から健康保険を使って治療できるようになった。
実際に治療する際は、外来治療のほか、本人の意思や症状によっては入院治療ができる医療機関もある。どちらの治療でも、心理・身体検査、カウンセリング、認知行動療法、患者交流会などを実施する。
自己負担3割の場合、外来治療の費用は、初診時に検査がなければ2,500円前後、検査があれば8,000円前後、2回目以降は1,500円程度が相場のようだ。通院の頻度や期間は患者によって異なるが、月に2回、1年間通院し、合計3回検査を実施したと仮定し、上記の相場をもとに計算すると、1年間にかかる費用の合計は5万5,500円となる。
入院治療では、1カ月あたりの入院費を15〜20万円程度とする医療機関が多い。入院期間も患者によって異なるが、自己負担限度額を使って限度額を超える分が軽減される場合もあるため、各医療機関や行政機関に確認したほうが良いかもしれない。
日本は世界一ギャンブル依存症の割合が多い?
日本では、生涯においてギャンブル依存症が疑われる人の割合が、成人の3.6%であり、人口で推計すると320万人に達する(2017年 久里浜医療センター)。この割合を見ると少ないように見えるかもしれないが、フランスやカナダなどの諸外国と比べて突出して高くなっている。
さらにギャンブル依存症は、仕事がうまくいかないなどのストレスや孤独感などがきっかけで、誰でもなる可能性があり、決して他人事とはいえない精神疾患だ。
そのため、もし自己診断ツール「LOST」などで依存症が疑われる場合には、心の健康を保つため、そして治療期間を長引かせないためにも、医療機関に早めに相談したほうが良いだろう。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
(2021年12月20日公開記事)
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