何かと比較の対象となる「関東」と「関西」。お雑煮の餅の形も違えば、エスカレーターで立つ位置も異なる。もちろん、どちらが上でどちらが下、とは言えないが、一方で「平均年収」は数字ではっきりと表れるため、勝ち負けがはっきりする。データを比較してみた。
1世帯当たりの平均年収対決
一般的に「関東地方」と言う場合、東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県・茨城県・栃木県・群馬県の1都6県を指す。一方で「関西地方」は、大阪府・京都府・兵庫県・滋賀県・奈良県・和歌山県の2府4県を指すことが多い。
関東と関西それぞれに含まれる都府県の1世帯当たりの平均年収のデータを使い、関東と関西の平均年収を算出してみよう。参照するのは、総務省がまとめた「2019年全国家計構造調査」のデータだ。
関東の1世帯当たりの平均年収 | ||
---|---|---|
東京都 | 629万7,000円 | |
埼玉県 | 587万1,000円 | |
千葉県 | 595万1,000円 | |
神奈川県 | 615万4,000円 | |
茨城県 | 595万3,000円 | |
栃木県 | 580万1,000円 | |
群馬県 | 557万5,000円 | |
1都6県の平均 | 594万3,142円 |
関西の1世帯当たりの平均年収 | ||
---|---|---|
大阪府 | 503万1,000円 | |
京都府 | 532万7,000円 | |
兵庫県 | 558万円 | |
滋賀県 | 604万3,000円 | |
奈良県 | 539万6,000円 | |
和歌山県 | 480万9,000円 | |
2府4県の平均 | 536万4,333円 |
結果、関東の平均は594万3,142円、関西の平均は536万4,333円で、関東の方が57万8,809円高いという結果となった。
1世帯当たりの資産残高対決
一方、1世帯当たりの資産の残高(=預貯金・住宅・宅地資産・株式などから負債を差し引いた金額)では、関東と関西、どちらに軍配が上がるだろうか。
関東の1世帯当たりの家計資産 | ||
---|---|---|
東京都 | 4,701万円 | |
埼玉県 | 3,220万2,000円 | |
千葉県 | 2,989万6,000円 | |
神奈川県 | 3,787万7,000円 | |
茨城県 | 2,293万6,000円 | |
栃木県 | 2,190万2,000円 | |
群馬県 | 2,328万8,000円 | |
1都6県の平均 | 3,073万0,142円 |
関西の1世帯当たりの家計資産 | ||
---|---|---|
大阪府 |
2,688万4,000円 |
|
京都府 |
3,013万9,000円 |
|
兵庫県 |
2,976万円 |
|
滋賀県 |
2,676万4,000円 |
|
奈良県 |
3,204万2,000円 |
|
和歌山県 |
2,202万6,000円 |
|
2府4県の平均 |
2,793万5,833円 |
1世帯当たりの資産の残高では、関東が3,073万0,142円、関西が2,793万5,833円となり、関東が関西を279万4,309円上回った。
両方とも関東に軍配
いたずらに関東と関西の対立を煽りたいわけではないが、関東と関西を平均年収と平均資産残高で比べてみると、東京都と神奈川県が関東の平均を押し上げ、結果的に両方とも関東に軍配が上がった。
ではもし関東と関西に中部地方を加えたら、どのような結果となるだろうか……。また、中国地方と四国地方ではどちらが上だろうか……。興味がある人は、ぜひここで紹介した総務省の全国家計構造調査のデータから比べてみてほしい。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
画像・nextone / stock.adobe.com
(2021年12月21日公開記事)
【関連記事】
・「年金」いくらもらえる?「月20万円」で足りる?
・初心者向け!ネット証券オススメランキング(外部サイト)
・「預金がおろせない?」銀行員が教える、親の生前にやるべき3つのこと
・株主優待をタダ取りする裏ワザとは?(外部サイト)
・12月に育休を取るとボーナスの手取りが増える?