「部長」と言えば、民間企業においては経営陣への入り口であり、多くのビジネスパーソンが昇進してその立場になることを目指す役職だ。では日本の部長たちの平均月収はどのくらいかご存じだろうか。平社員の平均と比べて、どれだけ高い?
10年間の平均を男女で算出してみる
厚生労働省が毎年公表している「賃金構造基本統計調査」では、役職別の平均月収が算出されている。「部長級」の平均月収の推移は、男女別に以下の通りだ。10年間の平均では、男性は65万4,930円、女性は60万3,210円となっている。
「部長級」の平均月収の推移 | ||
---|---|---|
年 | 男性 | 女性 |
2020年 | 60万1,700円 | 52万,500円 |
2019年 | 66万6,800円 | 61万5,800円 |
2018年 | 65万9,800円 | 59万2,700円 |
2017年 | 65万5,200円 | 60万1,600円 |
2016年 | 66万6,700円 | 59万2,500円 |
2015年 | 66万2,800円 | 64万7,500円 |
2014年 | 65万7,600円 | 58万5,900円 |
2013年 | 65万2,600円 | 66万7,200円 |
2012年 | 67万5,500円 | 64万9,100円 |
2011年 | 65万,600円 | 55万9,300円 |
10年間の平均 | 65万4,930円 | 60万3,210円 |
課長級、係長級、非役職者と比べた場合は?
続いて2020年の平均月収の調査データで、「課長級」や「係長級」、「非役職者」と比べた場合はどうなるだろうか。
役職別の平均月収の比較 | ||
---|---|---|
役職 |
男性 |
女性 |
部長級 |
60万1,700円 |
52万,500円 |
課長級 |
49万9,000円 |
44万3,100円 |
係長級 |
38万1,700円 |
33万7,300円 |
非役職者 |
29万8,300円 |
24万8,100円 |
男性の場合は、部長級の平均月収は60万1,700円、非役職者の平均月収は29万8,300円なので、その差は2.01倍となっている。女性の場合も2.09倍で、男女とも2倍以上の差がある。
ちなみに課長級と非役職者の差は男性が1.67倍で女性が1.78倍、係長級と非役職者の差は男性が1.27倍で女性が1.35倍となっている。
月給は上がるが部長の仕事は将来もっと大変に?
ここで紹介したデータから、もしあなたがいま平社員だとすれば、部長まで昇進すると平均月収は約2倍になるケースが多いと言えよう。いま勤めている企業の業績が好調であれば、将来部長に昇進したときはそれ以上の月収となることも夢じゃない。
ただし、月収が上がることはもちろん喜ばしいことだが、役職が上がるということは、それだけ負う責任も大きいということだ。高いマネージメントスキルも必要とされ、これから社会に出る若者たちとの円滑なコミュニケーションも求められる。
現在は若者の間で働き方に対する考え方がどんどん多様化している。そのため将来は、部長の仕事は今よりもっと大変になっていくかもしれない。それでもあなたは部長を目指しますか?月給の上がり具合と天秤にかけ、一度考えてみてはどうだろうか。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
(2021年12月21日公開記事)
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