老後の資金繰りに不安がないという人はいないのではないでしょうか。「老後破産」はなんとしても避けたい状況ですが、他人事ではなくなってきています。そうならないようにするために、今から何ができるでしょうか。
老後破産の主な原因は何か?
60代になると、多くの人が会社を退職し、生活費は給料ではなく、年金や貯蓄などでまかなうことになります。
60代でどれくらいの人が生活に行き詰まるのでしょうか。年代別の破産件数を見ると、60代の破産件数はでは2000年の12%から2017年には16.4%に4.4ポイント増えています。
なお70代なら、同じ期間で3%から7.51%になっています(日本弁護士連合会「2017年破産事件及び個人再生事件記録調査」)。
原因1──生活レベルを落とせない
一番大きな原因は、現役時代の生活レベルを落とせずにそのままお金を使いすぎてしまうこと。収入に応じて支出は調整しなければならないのにそれができず、引退後も同じ生活を続けてしまうと貯蓄を切り崩すペースが速くなるでしょう。
原因2──子供の学費がまだかかる
子供の学費は現役時代からある程度想定しているとはいえ、大学や専門学校の費用はかなり大きなものです。親の想定と子供本人の希望が異なることもあり、予算に収まらなくなる可能性も考えられます
原因3──医療費やリフォームなど想定外の出費がある
想定外の出費で金額が大きいものには、自宅のリフォームや万が一病気や怪我をした場合の医療費などがあります。特に医療費は予算を組むことが難しく、内容によっては治療が長期化するため家計を圧迫するかもしれません。
現役時代からできる4つのこと
老後、破産しないようにするために今からできること、しておきたいことを4つみてみましょう。
できること1 毎月の収支を把握する
自分のお財布事情を把握していないと、「気が付いたらお金がなかった」という事態になります。まず収支をしっかり把握することから始めましょう。その上で、収入の範囲内で生活することを習慣付けると、老後破産に陥る可能性をぐっと下げられます。
できること2 住宅ローンの見直し
年金生活に入ってからの負担を減らすために、住宅ローンの繰り上げ返済を検討する人も多いです。
できること3 老後を見据えた貯蓄と資産運用
まだ引退まで時間がある場合は、老後を見据えてiDeCoやNISAなどを活用しながら資産運用をすることも有効です。時間を味方にできる年代であれば積立投資も選択肢の一つです。
できること4 少しでも長く働くことを考える
どうしてもお金が足りなくなりそうというときには、定年退職後も働いて収入を得ることを検討してみましょう。正規雇用ではなくパートであっても、毎月一定の収入があることは家計にとって大きなメリットです。
漠然と老後への不安を抱えている人は多いと思いますが、実際に行動を起こすことで不安を減らせるかもしれません。楽しい老後を送れるように、今からできることを始めましょう。
文/編集・dメニューマネー編集部
(2021年12月24日公開記事)
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