パワハラ上司やセクハラ上司がいるなら裁判で勝って精神的に楽になりたいところ。しかし訴訟費用が慰謝料よりも高くなり、家計の面では逆に苦しくなるかもしれません。裁判費用や慰謝料はどのくらいなのでしょうか。
パワハラやセクハラ訴訟では弁護士費用や裁判手数料がかかる
例えば100万円の損害賠償を請求して慰謝料10万円が認められた場合、弁護士に依頼していると、着手金と成功報酬だけで10万円以上かかります。さらに弁護士への相談料や書類作成料などが別途かかることが多く、費用が慰謝料より高くなることも。
パワハラ訴訟やセクハラ訴訟の弁護士費用の目安は、金額が300万円以下の場合、着手金が損害賠償請求額の8%(但し最低10万円)、成功報酬が慰謝料の16%です。裁判所に払う手数料も必要で、例えば訴訟額が100万円ならば訴訟手数料1万円がかかります。
もちろん弁護士を介さなければ費用は抑えられますが、一般の人が自分で訴訟を起こすのは簡単ではありません。
慰謝料は数万円から100万円以上まで幅がある
慰謝料として100万円以上を勝ち取れて費用を回収できることもありますが、残念ながら数万円しか戻ってこない場合のほうがほとんどです。
慰謝料の額は、ハラスメントの内容や頻度、相手の立場(力関係)や実害発生の有無などで変わるため、一概にいくらと言えるわけではありません。
適切な手順を踏めば余計な費用はかからない
パワハラ上司との直接交渉で解決できるにも関わらず、裁判を起こして費用が増えたり、慰謝料を取れる可能性が高いのに証拠を残し忘れて訴訟で勝ち損ねたりするケースがあります。余計な費用をかけないためにも適切な手順を踏むようにしてください。
まず訴訟で勝つには証拠が必要です。ボイスレコーダーによる録音や問題のある内容が含まれるメールの保存を行います。上司本人に言ってもやめてもらえなければ会社に相談し、それでも無理ならば弁護士に相談して交渉の場を設けましょう。
パワハラやセクハラを受けると精神的に苦しく、冷静さを保つのは難しいかもしれませんが、費用が膨らんで経済的負担が増えるのは避けるべきです。何が最善の策なのか、まずは落ち着いて考えるようにしましょう。
文・大垣秀介(マネーライター)
編集・dメニューマネー編集部
(2021年12月27日公開記事)
【関連記事】
・「年金」いくらもらえる?「月20万円」で足りる?
・初心者向け!ネット証券オススメランキング(外部サイト)
・最も稼げる「国家資格」は?医師でも勝てない仕事
・株主優待をタダ取りする裏ワザとは?(外部サイト)
・確定申告しないと税務署にバレる?よくある5つのケース