株価の値上がり、値下がりを伝える株価ボード。値上がりは赤、値下がりは緑で表示されることをご存じですか。どんな色を使っても良いようなものですが、これにはれっきとした理由があるのです。
値上がりの「赤」と値下がりの「緑」──日本独自の商慣習
値上がりは赤、値下がりは緑。実はこれは日本だけのものです。米国では逆に値上がりは緑、値下がりは赤で表示されることが通常です。
そもそも、どのように表示しなければならないという国際的な取り決めや、ルールはありません。この表示は日本独自の商慣習なのです。
赤と緑のルーツは「伝票」にあり
今では株の売買は電子化されていますが、以前は伝票を切って顧客からの注文を受けていました。
買い注文と売り注文を取り違うことのないよう、買い注文は赤い伝票、売り注文は青い伝票が使われていたのです。
これも決まったルールがあるわけではありません。古くからの商慣習であり、今も多くの金融機関にその名残を見ることができます。
銀行の窓口へ行くことがあれば、伝票の色を確かめてください。入金は赤、出金は青(緑)で統一されているはずです。
実は案外合理的な商慣習
このように何気なく見ている株価ボードも、伝票も、商慣習のもとに統一され、一貫性が保たれているのです。
もしそれぞれがバラバラの色だったらどうでしょうか。売りと買い、入金と出金の単純なミスが連発するに違いありません。
また証券コード順に並んだ株価ボードの赤と緑を眺めただけで、業種ごとの株価の動向が一目で把握できるというメリットもあります。
たかだか株価ボードの色ですが、その背景には長い歴史に裏付けられた先人の知恵が生きているのです。
文・高村阿木夫(現役銀行員のマネーライター)
編集・dメニューマネー編集部
画像・oka / stock.adobe.com(画像はイメージ。撮影は執筆時ではありません)
(2021年12月27日公開記事)
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