JRには「大都市近郊区間」を利用する場合の特例があります。この特例を利用すれば、関西なら200円の切符で2府5県を電車でめぐることができます。
乗り鉄も大満足 18時間の鉄道の旅
まずは兵庫県尼崎市の「塚口駅」から大阪市の「塚本駅」までの切符を買います。値段は200円、営業距離はわずか6.8㎞、通常ならわずか7分で到着です。
しかし、まっすぐに目的地に向かわず、兵庫県、大阪府、京都府、滋賀県、三重県、奈良県、和歌山県、ふたたび大阪府と大回りするのが今回の目的です。
早朝、午前6時5分に塚口駅を出発し。関西の2府5県、748㎞を走り抜けます。経由する駅の数は289駅。最終目的地の塚本駅に到着するのは翌日の0時23分です。18時間以上の電車の旅ですが、料金はたった200円。乗り鉄も大満足できるのではないでしょうか。
大都市近郊区間が旅のルール
たった200円でこんな旅ができるのは、JRが東京、大阪、福岡などの都市圏に設定している「大都市近郊区間」という特例のおかげです。
この区間では実際に乗車した経路にかかわらず、最も安くなる経路で運賃が計算されることになっています。
ただしルールがあります。重複しない限り乗車経路は自由に選べますが、途中下車はできませんし、同じ駅を二度通ることもできません。一筆書きのように路線を選ぶのはなかなか頭を使います。
また、途中下車できないため、お弁当や飲み物、おやつの確保もしっかりと計画しなければ、ひもじい思いをすることになります。
時間と体力に合わせて最適ルートを選ぶゲーム
筆者は関西在住なので関西のルートを紹介しましたが、このルートにはたくさんの見所があります。兵庫県丹波地方の豊かな田園風景、須磨海岸周辺の瀬戸内海や明石海峡大橋、琵琶湖一周など車窓を眺めているだけでも飽きません。さらに、時速130キロと特急列車なみの速さを誇る新快速から単線のローカル線まで乗車する車両もさまざまです。
この特例を使ってどれだけの距離を移動できるか挑戦するもよし、自分だけのルートを考えるもよし。みなさんもお住まいの地域でこうした面白いルートを見つけてみてはいかがでしょうか。
文・高村阿木夫(現役銀行員のマネーライター)
編集・dメニューマネー編集部
画像・peach100 / stock.adobe.com(画像はイメージです)
(2021年12月28日公開記事)
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