住宅ローンの組みやすさは、職業によってかなり異なる。しかし、審査は銀行の内部で行われるもの。なかなか実際の事情は表に出てこない。そこで、住宅ローンの審査を担当していた元銀行員に、ローンを組みやすい職業をこっそり教えてもらった。
審査に有利な職業を聞いた結果
結論から書こう。住宅ローンの審査を受ける上で有利な職業を上から順に並べると、以下のようになるという。下にいくほど審査に不利な職業ということだ。
順位 | 職業 |
---|---|
1位 | 国家公務員 |
2位 | 地方公務員 |
3位 | 大手上場企業の正社員 |
4位 | 医師など |
5位 | 大手上場企業の子会社の正社員 |
6位 | 中堅上場企業の正社員 |
7位 | 中小企業の正社員 |
8位 | 自営業 |
9位 | フリーランス |
10位 | 無職 |
「公務員」は審査でかなり有利
1位は「国家公務員」、2位が「地方公務員」、3位が「大手上場企業の正社員」だという。
「大手上場企業の正社員」よりも「地方公務員」の方が審査に有利なことを意外に感じるかもしれないが、ローン審査では収入の安定性が重視されるため、こうした順になるのだという。確かに大手上場企業でも、上場廃止になって年収がガクンと落ちる例はある。
5位は「大手上場企業の子会社の正社員」、6位は「中堅上場企業の正社員」だという。ただし、「大手上場企業の子会社」であっても、大手上場企業が100%出資する完全子会社でなければ、中堅上場企業の正社員よりも審査で不利なケースもあるらしい。
「自営業」や「フリーランス」はかなり不利
逆に住宅ローンの審査で不利な職業が、「自営業」(8位)、「フリーランス」(9位)、「無職」(10位)。
「自営業」は一般的には個人事業主のことを指すが、株式会社を立ち上げていても、「従業員が社長の自分だけ」といったケースでは自営業とみなされることが多い。そのため、脱サラして起業したばかりの人は、住宅ローンの審査ではかなり不利な立場となるようだ。
また、最近は仕事を仲介するサイトが増えてきたこともあり、ネット上で仕事を得ながら稼ぐクラウドワーカーも増えてきた。こうしたクラウドワーカーは「自営業」や「フリーランス」という括りに入り、住宅ローンを組むのはかなり難しくなってくる。
職業だけが全てじゃないという側面も
ちなみに、職業的には住宅ローンが不利であっても、信用情報にキズがついていなかったり、住宅ローンの希望金額を低くしたりすれば、審査に通りやすくなるようだ。
つまり、クレジットカードの支払いなどが遅延しないようにした上で、しっかり貯金をして頭金の金額を増やせれば、自営業やフリーランスの人でも審査を通過する確率が上がるという。
これから住宅ローンを組もうとしている人の参考になれば幸いだ。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
(2021年12月28日公開記事)
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