2021年も終わり2022年がやってきた。株式投資家の中には、今年の投資戦略を考え中の人もいるはずだ。そんなときに知っておきたいのが、月別の「アノマリー」。どの月に株価が上がりそうか、どの月に株価が下がりそうかを、過去のデータの分析から知っておける。
そもそも「アノマリー」とは?
アノマリーとは「理論的には説明が難しいものの、過去のデータにみられる傾向・規則性」といった意味を持つ。株式投資において「月別のアノマリー」と言った場合は、過去のデータから算出された月別のパフォーマンスの平均値のことを指す。
この月別のアノマリーを、日本株と米国株で紹介しよう。
日本株と米国株の月別のリターンを比較
日本株に関しては、1970〜2019年の50年間における「東証株価指数」(TOPIX)の月別の平均リターンを紹介する。米国株に関しては、同期間における「S&P500」の月別の平均リターンを紹介していく。
東証株価指数とS&P500はどちらも、日本市場と米国市場を代表する株価指数だ。
東証株価指数とS&P500の月別リターンの比較 | ||
---|---|---|
月 | TOPIX | S&P500 |
1月 | +1.24% | +1.13% |
2月 | +0.87% | +0.34% |
3月 | +1.56% | +1.13% |
4月 | +1.36% | +1.29% |
5月 | +0.08% | +0.36% |
6月 | +0.58% | +0.32% |
7月 | +0.13% | +0.63% |
8月 | -0.93% | +0.02% |
9月 | -0.60% | -0.58% |
10月 | -0.44% | +0.82% |
11月 | +0.76% | +1.37% |
12月 | +1.54% | +1.45% |
日本株も米国株も冬から春先はリターンが良い傾向
TOPIXの月別リターンは、3月がプラス1.56%、12月がプラス1.54%、4月がプラス1.36%、1月がプラス1.24%という順に高い。つまり日本株においては、冬から春先にかけてパフォーマンスが良い傾向にあるということだ。
一方、米国株はどうだろう。S&P500の月別リターンは、12月がプラス1.45%、11月がプラス1.37%、4月がプラス1.29%、1月と3月が1.13%となっている。パフォーマンスが良い時期は日本株とほぼ重なる。
そして日本株においても米国株においても、8〜9月ごろはパフォーマンスが悪い傾向にあるようだ。TOPIXは8月がマイナス0.93%、9月がマイナス0.60%、S&P500は8月がかろうじてプラス0.02%だが、9月はマイナス0.58%となっている。
2022年の投資戦略を考える上での参考に
もちろん2022年はこのアノマリー通りに相場が動かない可能性も十分にある。しかしこうした傾向は、それぞれの月において強気でいるべきか、弱気でいるべきかの判断材料の一つにはなる。
2022年にどのタイミングで資金を株式に投入し、どのタイミングで売却するか……。戦略を考える上での参考になれば幸いだ。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
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