コロナ禍にみまわれて2年目となる2021年を振り返ると、コロナショックからの回復、そして次の投資のテーマを探す1年だったと言えます。日経平均は2万8791円71銭。32年ぶりの高値水準で取引を終えました。
日本だけでなく世界各国がコロナショックを乗り越えるためにさまざまな対策を行った2020年、マーケットに資金があふれ、株価は急回復したのです。
2021年を前後半に分けて振り返ってみましょう。
2021年前半──バブル崩壊以来の日経平均3万円台達成
2020年3月に株価が急落した「コロナショック」の後、各国が積極的に金融・財政の両面での対策を行ったことから景気回復への期待が高まりました。
このため日経平均は堅調に推移し、2021年2月中旬には1990年以来となる3万円台を達成したことで、投資家のマインドは明るくなりました。
しかし、再びコロナ感染が広がり緊急事態宣言が発出され、先行きに不安を感じる投資家が増えたことで日経平均株価は再び3万円を割り込みました。
年前半、株価は下がる場面もありましたが、下落は限定的で一進一退の展開でした。
2021年後半──上値は重いが下値も固い
8月から9月にかけては、コロナ感染拡大に落ち着く兆しが見られました。また菅義偉首相(当時)が自民党総裁選不出馬を表明したことで、新政権誕生への期待が高まり、株価は急上昇しました。
連日の株価の上昇に、多くの投資家が「日経平均が再び高値を目指すのではないか」と期待に胸を膨らませました。
上昇に弾みがつくと思われた日経平均ですが、おりしも中国の不動産大手をめぐる業績不安が水を差すことになりました。さらに、世界的なインフレへの警戒感も高まり、株価は再び下落に転じました。
上にも下にも身動きが取れない日経平均
株式相場には企業の業績や実態経済が反映されます。しかし、コロナショックで世界各国の政府や中央銀行が積極的に対策し、いびつな状態になっています。政府の財政政策や中央銀行の金融政策が株価に大きな影響を与えるようになっているのです。
結局、年間値幅(高値と安値の差)は3656円と、2012年以来、9年ぶりの小さな変動でした。いびつな状態のなかで、投資家が財政政策や金融政策を見守りながら、相場の次のテーマを探していると考えられます。
文・高村阿木夫(現役銀行員のマネーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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