寅年は株価パフォーマンスが悪い?約100年をさかのぼってみた!

2022/03/05 08:00

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投資家にとってはバッドニュースかもしれないが、2022年の寅年は株式相場のパフォーマンスが全十二支の中で最も悪い年なのだ。過去の寅年を振り返ってみよう。 意外と当たる干支のアノマリー 日本橋兜町(かぶとちょう)では昔から翌年の相場予想が出回っており、干支のアノマリーや春日大社のお告げなどが代表だ。昔から伝わる干支アノマ

投資家にとってはバッドニュースかもしれないが、2022年の寅年は株式相場のパフォーマンスが全十二支の中で最も悪い年なのだ。過去の寅年を振り返ってみよう。

意外と当たる干支のアノマリー

日本橋兜町(かぶとちょう)では昔から翌年の相場予想が出回っており、干支のアノマリーや春日大社のお告げなどが代表だ。昔から伝わる干支アノマリーは以下の通り。

十二支の格言

子(ね)は繁盛
丑(うし)つまずき
寅(とら)千里を走り
卯(う)跳ねる
辰・巳(たつみ)天井
午(うま)尻下がり
未(ひつじ)は辛抱
申・酉(さるとり)騒ぐ
戌(いぬ)笑い
亥(い)固まる

寅年の「寅は千里を走る」は、寅が一日に長い距離を走って、戻ってこれるほど行動力があるという意味だが、寅が突っ走るため相場は波乱になると言われている。

寅年の勝率は最下位、パフォーマンスは10位

実際、寅年は政治混乱や円高進行の年が多く、勝率は十二支中最下位。年間の騰落率は10位と低調だ。次の卯(うさぎ)年が跳ねる年になるため、「買い場」の年との位置づけだ。

日本経済新聞のデータで証券取引所が再開された1950年以降の干支による株式市場の成績をみると、寅年は1勝5敗と勝率は最下位。1950年以降、日本株は基本的には右上がりの相場が続いていたはずで、申酉亥が5勝1敗、子卯辰巳未戌が4勝2敗、丑が3勝2敗、午3勝3敗と、負け越しは寅だけ。

寅年の平均パフォーマンスは1.8%と10位。丑の0.1%安、午の5.0%安にこそ勝るが決して良いとは言えない。寅年の1勝5敗のうちの1勝は86年に平成バブルで年間42.6%も上げているから平均がプラスになっているだけだ。

念の為に東証再開前も含めて過去100年で見ると、寅年は2勝6敗。やはり勝率はビリで平均パフォーマンスは2.1%高とほぼ傾向は変わらない。

寅年は「仕込みの年」とも言える

過去の寅年は下記のように歴史的、国際的な事件が発生し、リスクオフの円高が進み、外部要因の影響を受けやすい日本株安つながったことが多い。

主な出来事
1950朝鮮戦争、日経平均7.3%安
1962キューバ危機、岩戸景気、五輪景気後の不況 日経平均0.8%安
1974ウォーターゲート事件、第1次オイルショック後の不況 日経平均11.4%安
1986チェルノブイリ原発事故 日経平均42.6%高
1998ロシア通貨危機、前年に山一倒産し金融システム不安で大手銀行に公的資金投入。年央の147円台の円安から一気に113円までの円高が進む 日経平均9.3%安
2010年ギリシャ危機でリスクオフの円高株安へ

2022年の投資戦略を考える上でのリスクとしては、コロナウィルス、経済的には米テーパリングからの利上げ、インフレ、地政学的にはウクライナや米中対立などが挙げられる。

「寅は千里を走る」はあくまでアノマリーだが、22年に世界で何か大きな危機が起きることを想定しながら慎重な姿勢を取りたい。もし下げるなら23年の「卯(う)跳ねる」前の仕込み時になることも忘れずに。

文/編集・dメニューマネー編集部

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(2022年1月1日公開記事)