平均寿命が年々伸びている。そんな中、老後を甘くみていると、あなたを「老後破産」の悲劇が襲うかも。生活資金が足りず、生活が困窮しまうケースだ。どのような人が老後破産に陥りやすいのだろうか。6つの共通点を紹介する。
共通点1 年金収入が少ない
年金収入が少ない人は要注意だ。特に自営業者で国民年金しか掛けていない人は、夫婦でも満額受給で13万円程度だ。サラリーマンとして会社勤めをしておらず、厚生年金を受け取ることができない人は用心しておきたい。
共通点2 貯金をしていない
貯金をあまりしていない人も要注意だ。定年退職後に年金を受け取るとしても、多くの人は生活資金の一部を貯金から切り崩しながら老後を過ごす。もし切り崩す貯金が無くなったら……。その状況を想像してみてほしい。
共通点3 投資・資産運用をしていない
より老後の生活資金を増やすためには、若いうちから資産運用をするのが賢明だ。日本人は欧米各国の水準に比べ、資産運用をしている人が少ない。資産運用をしていない人は、運用益の税制優遇が魅力のNISA(ニーサ)やiDeCo(イデコ)などを活用したい。
共通点4 「自宅を売ればいい」と思っている
「いざとなれば自宅を売ればいい」。老後の生活資金が足りなくなったときの対処法として、こう考えている人は少なくない。しかし不動産の価値は変動する。老後を迎えていざ自宅を売却しようとしたとき、土地や建物の価値が想像以上に下がっているかも。
共通点5 現在の生活水準が高い
現在、生活水準が高い人は要注意だ。一度上げた生活水準はなかなか落とすことができない。収入が多い現役時代はその生活水準でも貯金は減らないとしても、老後に生活水準を落とせなければ、貯金はハイペースで減っていく。
共通点6 老後の出費に関する見込みが甘い
老後にどのくらい出費があるのか、その見込みが甘い人も要注意だ。特に想定しておきたいのが、介護費用。介護が必要になる場合、介護施設や老人ホームの入居費用や月々の費用が発生する。思わぬけがや病気で、介護が必要になる時期が早まる可能性も考慮しておこう。
十分すぎるほどの準備を
老後破産に陥らないためには、現在の自分が抱えているリスクを見つめ、それらを1つずつ解消していくことが重要だ。貯金をしたり、資産運用を始めたり、生活水準を徐々に下げたり……といった具合だ。
ちなみに、不可抗力の状況が生じることによって老後破産に追い込まれるケースもあることも、頭に入れておきたい。
例えば、自分の子どもが何らかの理由でずっと働かずにおり、将来も同居を続ける場合、その子どもの生活費の負担が老後に重くのしかかる。また、日本が高インフレの状況となって物価が上がり続ければ、実質的に現金の価値が目減り、生活苦に陥るリスクが高くなる。
老後破産を防ぐためには「備えあれば憂いなし」だ。あなたが今20代であっても30代であっても、十分すぎるほどの準備を整えていこう。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
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(2022年1月2日公開記事)