年始は多くの投資家が1年の相場を予想する。相場には干支にまつわるアノマリーがあり、今年の寅年については「寅千里を走る」と言われている。いかにも縁起が良さそうだが、実際はどうなのか。ほかの干支についてはどうなのだろうか。過去の日経平均の動きとともに見てみよう。
1950年以降の「勝敗」でアノマリーを検証
1950年以降の干支ごとの勝敗をまとめてみた。「勝ち」は年末の日経平均が前年の株価を上回っている場合。「負け」は逆に下回っている場合だ。
実は寅年は最も勝率が低い干支。唯一勝った年は1986年バブルの真っ盛り。この年にはNTT株が売り出されマネーブーム到来、英チャールズ皇太子(当時)とダイアナ妃(同)が来日したのもこの年だった。
干支 | アノマリー | 1950年以降の勝敗 |
---|---|---|
子(ね) | 子は繁栄 | 4勝2敗 |
丑(うし) | 丑つまずき | 3勝2敗 |
寅(とら) | 寅千里を走る | 1勝5敗 |
卯(う) | 卯跳ねる | 4勝2敗 |
辰(たつ) | 辰巳天井 | 4勝2敗 |
巳(み) | 辰巳天井 | 4勝2敗 |
午(うま) | 午尻下がり | 3勝3敗 |
未(ひつじ) | 未辛抱 | 4勝2敗 |
申(さる) | 申酉騒ぐ | 5勝1敗 |
酉(とり) | 申酉騒ぐ | 5勝1敗 |
戌(いぬ) | 戌笑う | 4勝2敗 |
亥(い) | 亥固まる | 5勝1敗 |
昨年・2020年はアノマリーと異なる結果に。今年はどうか?
勝ちか負けかの二択なので、勝率は50%に近づきそうなものだが、明らかに勝率の高い干支と、低い干支がある。
昨年の丑年は、1月の2万3000円台から始まり、12月は2万6000円台で推移、結局2万7444円で終えたので、「勝ち」。「丑つまづき」というアノマリーとは(幸いなことに)異なる結果だったわけだ。
今年の「寅千里を走る」は、いかにも相場は上昇しそうなアノマリーだが、過去の実績では明らかに勝率が低い。
2021年はコロナ禍からの回復がテーマだったが、これから始まる2022年の寅年相場は勝率が低いジンクスを打ち破ることができるだろうか。
文・高村阿木夫(現役銀行員のマネーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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