Netflix史上最大のヒット作となった韓国ドラマ「イカゲーム」。2021年9月17日に配信が始まり、1ヵ月で世界1億1100万人に視聴され、9週間にわたり世界のトップ10リストに入り続けていました。
ファン・ドンヒョク監督は、シーズン2の制作を示唆、「(主人公の)ギフンが戻って世の中のために何かをするだろう』と話しています。ギフン役の俳優イ・ジョンジェさんが登場することは間違いなさそうで、出演料が跳ね上がると言われています。
11月ごろには、俳優、スタッフにボーナスが支払われた事が報道され話題となっています。Netflixが契約外でボーナスを支払う事は珍しいらしく、このことからもシリーズ2に向けた動きがあることがうかがえます。
キャストの報酬・製作費は?気になる収益は?
韓国メディアによると、ギフン役(456番)のイ・ジョンジェさんの1話当たりの報酬は約3000万円、サンウ役(218番)のパク・ヘスさんは425万円、カン・セビョク役(67番)のチョン・ホヨンさんは9話合わせて765万円だそうです。
英語圏のスター俳優たちの10分の1にも満たない金額ですが、海外進出を目指す韓流スター達にとっては、そもそも世界配給される作品に出演できることが魅力的なはずです。
作品づくりにかかるのはキャストのギャラだけではありません。全体の製作費はどれくらいだったかというと、全9話で約25億円だったと報じられています。
25億円を投資したNetflixがどれくらいの収益をあげたかというと、なんと1000億円前後とされています。同社の純利益は前年比83%増えたそうですが、イカゲームがその大きな要因になったことは間違いないでしょう。
ちなみにイカゲーム1シーズンの製作費で、米国ドラマは1話分くらいの製作費にしかならないといいます。いかにイカゲームのコスパが優秀か分かります。
Netflixの韓流コンテンツの投資額は?契約内容は?
韓国メディアによると、Netflixは2016年~2020年の5年間で韓国のコンテンツ製作に770億円、2021年には550億円を投じたそうです。
具体的には、国内に専用の撮影所を2ヵ所設け、関連業界で16000人の雇用を生み出し、約80の韓国映画、TVシリーズ、バラエティ番組を世界190ヵ国・地域へ配信したとされています。
韓国エンタメ業界のみならずファッションや食品などをあわせ、経済効果は総額8300億円にのぼるとの報告もあります。
韓国エンタメ業界の反応は?
ヒットすれば収益は大きいですが、逆に大外れすることもあります。ただし、作品の成功いかんにかかわらず韓国側は製作費の15%程度を報酬として受け取れるそうです。
その代わりに製作費のすべてをNetflixが負担する仕組みです。作品の版権と著作権はNetflixが持つため、メガヒット作が出ると韓国側は損しているようにも見えますが、成功しなくても一定額はもらえます。
Netflix側からすればハイリスクですが期待リターンもハイ。逆に韓国側はローリスクローリターンといえそうです。
「イカゲーム」のファン監督は2008年から製作会社を探したがNetflixだけが作品化してくれた、契約に不満はないと述べています。
韓国国内の制作会社では、クリエイター達の最低限の保証も難しい現状で企画段階でNetflix側がすべて負担し全世界へ配信してくれると言う安心感はキャストにもスタッフにも好材料ととらえられています。
Netflixでドラマ・映画を配信されたことをきっかけに、キャスト、クリエーターの活躍の場が世界に広がり、韓国コンテンツの存在感も世界中で増す──。その好循環はまだ続きそうです。
文・金舜華(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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