2022年は世界の「選挙イヤー」だ。
日本では7月頃に参議員院選挙、韓国大統領選が3月、フランス大統領選が4月、そして世界の金融市場が最も注目する米中間選挙が11月だ。米中間選挙の前は株価が低迷するケースが過去の経験則から多い。政治日程から今年の投資戦略を考えてみたい。
政治と株価は密接な関係
金融市場には「地政学リスク」という言葉がある。
特定の地域における政治や軍事の緊張の高まりが、経済や金融市場に影響を与えるリスク要因となることを示した言葉だ。
政治と株式市場の関係は密接な関係にある。国のリーダーが誰になり、どのような政策をとり、与野党の勢力関係がどうなるのかは国の経済だけでなく株価に大きな影響を与える。
その好例が20年の菅首相退陣表明後の日本株だ。9月3日に退陣表明すると投資家、特に外国人投資家は、ワクチン政策の遅れで低下していた内閣支持率が新政権の誕生、特に“河野太郎首相”の誕生で回復すると期待して日本株を買った。
日経平均は9月2日の28,543円から9月14日の3万795円までわずか8営業日で2,252円も上げた。3万円台を付け31年ぶりの高値だった。
一方、9月29日の自民党総裁選で岸田氏が新総裁に選ばれそうなことが伝わると、河野首相を期待していた市場は岸田首相を不安視して一転して売りに回り当日の日経平均は急落して639円安となった。
28日の30,183円から10月6日の27,293円まで11営業日で2,890円下げ、「岸田ショック」とも言われた。
金融市場で今年の最大のイベント米中間選挙
米中間選挙の投票日は11月8日だ。米国大統領選は4年に1度だが、その中間の年に実施するのが中間選挙だ。今回は任期6年の上院の全100議席のうち35議席、任期2年の下院の全435議席が選挙の対象となる。
現政権の民主党が強いのか? それとも野党共和党が議席を増やすのか? 現政権への信任投票でもあるとともに、2年後の大統領選の流れを見る上でも世界から注目される。
中間選の年は米国株が調整するアノマリー
米中間選挙の前は米国株が調整するというアノマリーは本当なのか。アノマリーとは、金融市場において理論的な根拠はないがよく当たる経験則のこと。
米国株式指数のS&P500の動きを大統領選挙の年、大統領選挙の翌年、中間選挙の年、大統領選挙の前年と4つに分類して、それぞれの過去の平均的な動きを年初からの月次での推移を見ると、中間選挙の年のみが6月〜9月に年初来のパフォーマンスが一旦マイナスに落ちこむ。
中間選挙では政権与党に厳しい目が向けられ、大統領選で勝った政党が議席を減らすケースが多いから、選挙前に不透明感から調整するのではないかと見られている。現在、バイデン大統領は支持率を下げていることもあり、選挙前の調整を想定したほうがいいかもしれない。
ただ大統領選の前の年、つまり中間選の年の翌年は4つの分類で最も株が上がる年だ。大統領選では経済が好調で株価が高いと現政権が有利になるので選挙前年には、高株価政策を進めることが多いことが理由として考えられる。
国内の7月の参院選も日本株にとっては不透明要因だ。
ただ、ここを乗り切るようだと岸田政権が長期化する可能性もある。米中間選挙と日本の参院選を控え、夏場は株式市場がダレる局面もありそうだ。しかしそこでしっかりと買うことが来年のパフォーマンスに繋がるという基本戦略で22年の株式市場を向き合ってみてはいかがだろう。
文/編集・dメニューマネー編集部
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