増える高齢者の孤独死、部屋をきれいにする「特殊清掃」の費用はいくら?

2022/03/19 20:00

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ひとり暮らしの高齢者が増えているせいか、孤独死と見られるケースも増えているようだ。一緒に暮らす家族がおらず、孤独死して時間がたつと、遺体がしばらく残された部屋の清掃は大変だ。そこで「特殊清掃業者」の出番だ。あまり聞き慣れない仕事だが、依頼するとどれくらいの費用がかかるのだろうか。 年間3万人?10年で3倍になった孤独死

ひとり暮らしの高齢者が増えているせいか、孤独死と見られるケースも増えているようだ。一緒に暮らす家族がおらず、孤独死して時間がたつと、遺体がしばらく残された部屋の清掃は大変だ。そこで「特殊清掃業者」の出番だ。あまり聞き慣れない仕事だが、依頼するとどれくらいの費用がかかるのだろうか。

年間3万人?10年で3倍になった孤独死者数

孤独死というと、誰にも看取られず、亡くなった後に発見されるというイメージを持つ人も多いだろうが、明確な定義はない。警察による死因の統計では、あくまで「変死」として扱われるので、孤独死者数を正確にとらえたデータもあまりないのが現状だ。

ただ、東京23区での孤独死者数と、全国の人口データをもとに、全国の65歳以上の孤独死者数の統計値を出した調査がある。

これによると、「自宅で死亡し、死後2日以上経過」を孤独死と定義した場合、年間約3万人にのぼった(2011年、ニッセイ基礎研究所)。さらに2011年までの10年間で、孤独死者数は約3倍に増えたと見られるという。

孤独死の「特殊清掃」にかかる費用はいくら?

最近ではコロナ禍の影響もあってか孤独死者数がさらに増えており、相談が例年の2〜3倍になったとも言われる特殊清掃。一体、いくらくらいかかるのだろうか。

大きく分けて、部屋にある家具やごみを撤去する「残置物処理」の場合と、特殊清掃やリフォームをして再度住める状態にする「原状回復」の場合がある。

前者、「残置物処理」にかかる平均費用は約22万円、後者の「原状回復」には約38万1,000円だった(2020年、日本少額短期保険協会「第5回孤独死現状レポート」)。

しかしこれは平均であり、残置物処理に100万円以上、原状回復になんと400万円以上かかった事例もある。

反対に、遺族や家主が入居可能になる程度の2〜3時間の作業であれば、10万円以下でできる場合もあり、大きな差があることが分かる。

一例ではあるが、内訳を次のように定めている業者も多く、作業の範囲や項目が増えるに従って費用も高くなる仕組みだ。

作業内容ごとの料金例
作業内容料金
床上の特殊清掃3万円〜
浴室清掃3万円〜
消臭剤・除菌剤の散布1万円〜
汚れた畳の撤去3,000円/1枚〜
オゾン脱臭 3万円/1日〜
作業員の人件費 2万円/1人〜
(出典:BLUE CLEAN Webサイトなどから筆者作成)

できるだけ早い依頼が重要だが、業者選びには注意

離れて住む家族が一人で亡くなって、特殊清掃業者に依頼しなければならなくなった場合、できるだけ早く依頼したほうがいい。なぜなら、時間が経つと、大がかりな清掃が必要になり、その分費用がかかってしまうからだ。

ただ、見積もりが分かりにくかったり、見積もりにはない金額を後から請求したりする業者もいるという。特にここ数年、新しく参入した業者の中には、高額な見積もりを提示してくるところもあるようだ。

時間は限られているものの、相見積もりをとったり、できる限りクチコミ情報を調べたりして業者を選んだほうがいいだろう。

文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
画像・One Dragon / stock.adobe.com(画像はイメージです)

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