会社を辞めて起業した場合の失業手当を受け取れる期間が、1年から4年に延長される特例が新設。今国会にて雇用保険法の改正案が提出される見通しです。今までよりも起業に挑戦しやすくなったといえるでしょう。ここでは、失業手当の仕組みや制度が変更された理由、増加傾向にある40代・50代の起業について見ていきます。
脱サラして起業失敗、失業手当の期限切れという悲劇
離職日から原則1年以内で、再就職を希望する人は、失業手当を受け取れます。しかし、離職後に起業するパターンでは、1年という期限は短すぎるという批判がありました。
脱サラして起業したが、予期せぬ事態で事業に失敗。再就職しようにも、すでに1年の期限が切れ、失業手当を受け取れない……。このような事態を想定し、起業に踏み切れない方もいたはずです。
※失業手当の受給者の要件について、詳しくはハローワークや社労士などの専門家にお尋ねください。
失業保険の資格3年延長で起業しやすい環境に
今回、失業後に起業した場合、資格期間を最大3年延長するという方針が決定しました。従来の1年間とあわせて、離職日から最大4年間は受給資格が維持される見込みです。
なお、失業手当は前職の給与水準に基づいて計算され、離職理由や年齢などに応じて資格期間中に90~330日間受け取れます。
40代・50代の起業は増加傾向
かつては終身雇用が一般的でしたが、最近では自分自身のライフプランや適性を考慮し、転職や起業を志す方も増えてきました。
起業家の年齢構成を見ると、30代は減少傾向にあり、40代・50代が増加傾向にあります。
29歳以下 | 30代 | 40代 | 50代 | 60歳以上 | |
2016年 | 7.1% | 35.3% | 34.5% | 16.9% | 6.2% |
2017年 | 8.1% | 34.2% | 34.1% | 16.9% | 6.6% |
2018年 | 6.9% | 31.8% | 35.1% | 19.0% | 7.3% |
2019年 | 4.9% | 33.4% | 36.0% | 19.4% | 6.3% |
2020年 | 4.8% | 30.7% | 38.1% | 19.7% | 6.6% |
(出典:日本政策金融公庫「2020年度新規開業実態調査」開業時の年齢)
失業手当の期間延長をはじめ、政府は起業家やフリーランスなど多様な働き方に対応できる社会を目指しています。制度を味方につけ、起業をふくめ幅広い選択肢に目を向けて、人生において悔いのない選択をしてください。
文・木崎涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
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