「子どもに永久歯(大人の歯)が生えてきて、歯並びが気になるようになった」という人もいるのではないだろうか。子どもが「歯列矯正」をする場合、歯並びや成長段階によって治療法が異なる。治療法の種類や、費用相場をどのくらいなのだろうか。
子どもの治療法は「永久歯が生え揃っているか」で異なる
子どもが歯列矯正する場合の治療法は、永久歯が生え揃っているかどうかで、「1期治療」と「2期治療」に大きく分かれる。
| 治療法 | 特徴 |
| 1期治療 | 乳歯と永久歯が混在している子どもが対象。骨格の矯正をする |
| 2期治療 | 永久歯が生え揃っている子どもが対象。大人の歯列矯正とほぼ同じ治療法 |
1期治療の目的は、骨格の矯正
1期治療の対象となるのは、乳歯と永久歯の両方がある子どもで、およそ6歳〜小学校低学年が目安になる。一般的な治療期間は、1年弱〜1年半とされている。
治療の主な目的は、骨格の矯正だ。永久歯が生えてくるスペースが足りなかったり、咬み合わせが逆になっていたりする状況を改善するため、固定式の装置や、取り外しができる装置、あごに取り付ける装置などを使う。
大人がする歯列矯正と比べると、痛みを感じにくいと言われている。
2期治療では、大人の歯列矯正とほぼ同じ方法で治療
2期治療では、永久歯が生え揃っている子どもが対象になり、およそ小学校高学年以降に開始する。治療期間の目安は、1年半〜2年半だ。
大人の歯列矯正とほぼ同じ方法で治療し、歯の表面につけたブラケットに細いワイヤーを通す「ワイヤー矯正」や、歯型を取ってマウスピースを装着する「マウスピース矯正」が一般的だ。
なお、1期治療から始めれば、歯列の状態によっては2期治療が必要ない場合もある。
「歯列矯正」の費用は?100万円くらいかかるってホント?
歯列矯正には「100万円以上」かかるとよく言われるが、費用はどれくらいなのだろうか。
歯列矯正は、一般的に健康保険が適用されず、自由診療になるため、歯科医院によってかかる費用に幅がある。
複数の歯科医院などの情報をもとにすると、1期治療の費用相場は35〜55万円程度だ(税別、以下同様)。
2期治療の費用相場は、1期治療を受けていれば30〜50万円程度で、1期治療を受けていなければ70〜100万円程度かかるようだ。
2期治療から受けると、大人の歯列矯正とほぼ同額となるので、子どもに歯列矯正をさせるのであれば、1期治療から受けさせたい。
また、1期と2期を合わせると、100万円くらいかかるので、取りざたされている額は本当のようだ。
歯科医院によっては、1期治療から2期治療に移行した場合の料金プランや、大人の歯列矯正と使う装置や治療内容が同じだとしても「2期治療料金」を設定している場合がある。そのため、大人になってから矯正するより費用を抑えられる可能性はあるだろう。
近年では、歯科医院に通う従来の歯列矯正だけでなく、家庭でマウスピースを着用するだけで、歯並びを綺麗にできてしまうサービスも登場している。個人差はあるが値段も3ヵ月程度で約33万円といったようにリーズナブル。成長期の子供に向いているかはともかく、大人で矯正したい人は、こういった通院不要の歯列矯正も検討できるだろう。
医療費控除の対象になることも?
健康保険は適用されないが「美容目的ではなく、子どもの成長を阻害しないために歯列矯正が必要であること」などが認められた場合、医療費控除の対象になる。
医療費控除は、他院の治療費も含めて1年間に支払った治療費が10万円を超えると、所得に応じて所得税の一部が戻ってくる制度だ。
実際に歯列矯正をすることになった場合は、費用をできるだけ抑えるため、対象になるか確認したほうが良いだろう。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
画像・buritora / stock.adobe.com(画像はイメージです)
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