穏やかではない印象を受ける、企業の「債務超過」や「赤字」。2019年度の国税庁の統計によると、全国の法人のうち65%以上が赤字法人という調査結果もあります。しかし、赤字になったら即倒産という訳ではありません。また、債務超過という言葉は赤字ほど身近ではないですが、ニュースでは度々登場します。
「債務超過」と「赤字」はどちらも企業にとって重要な意味を持ちますが、2つの違いが分かりますか?
赤字が積み重なると債務超過の危険性が増す
「債務超過」とは、負債が資産を上回る状態のことです。負債は主に金融機関からの借り入れで、将来返済するお金です。資産は預貯金や有価証券、設備や不動産など会社が持つ全財産を指します。全財産を売却しても返済できなければ債務超過になりますが、負債の返済期限まで余裕があり、期限までに解消できるならば問題はありません。
債務超過は決算書の1つである「貸借対照表」から分かります。通常は資産-負債=純資産(返済義務のないお金)ですが、純資産がマイナスであれば債務超過の状態です。債務超過が続くと、信用力が低下して融資を受けるのが難くなります。さらに上場企業の場合は証券取引所の上場廃止基準に該当する恐れがあります。
「赤字」とは、支出が収入を超えている状態のことです。企業の財務状況を示す貸借対照表とは異なり、売上や利益を示す「損益計算書」で確認できます。税引き後の利益がマイナスになると赤字です。
一時的な損失があり赤字の状態でも、将来の黒字が明白なら心配ありません。ただ赤字が毎年積み重なり、純資産を食い潰してしまうと債務超過になります。
解答:「債務超過と赤字」の違いとは……
「債務超過」は負債>資産のことで、「赤字」は支出>収入のことです。どちらも数字だけでなく理由まで把握することが大切です。
文/編集・dメニューマネー編集部
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