私立中学に通わせるには「年収1000万円がボーダーライン」と言われることもありますが、果たしてそんなに必要なのでしょうか。どのくらいの年収があれば私立に入学させることができるのでしょうか。
世帯年収の幅は広い
私立中学生の家庭の世帯年収は、実態を見ると意外と広いようで、決して「1000万円以上」ばかりではありません。
私立中学に通わせている世帯のうち、年収1000万円以上の割合は52.3%なので、約半分です。
残り半分は年収1000万円未満ですが、その内訳は800~999万円が19.8%、600~799万円が16.8%、400~599万円が7.2%、400万円未満が3.9%という結果でした(2018年、文部科学省「子供の学習費調査」)。
私立中学に通わせている世帯 | |
---|---|
世帯年収 | 割合 |
1000万円以上 | 52.3% |
800~999万円 | 19.8% |
600~799万 | 16.8% |
400~599万円 | 7.2% |
400万円未満 | 3.9% |
年収600万円くらいから中学受験をさせる家庭が増え始め、年収800万円~999万円がボリュームゾーンです。
私立中学にかかる費用はどのくらい? 毎月12万円?
とはいえ家庭によって取り巻く環境が異なりますから、単純に年収だけでボーダーラインを決めることは難しいです。「私立中学に通わせた場合に必要な金額を払えそうか」という視点で判断するのが良いでしょう。
私立中学の場合、教育費や課外活動費を合わせた学費の平均額は年間約140万円でした。12ヵ月で割ると、毎月11~12万円かかる計算です。
一方で公立中学の場合は年間にかかる費用は約48万円なので、私立と公立では3倍近くの差があることがわかります。
年収のどのくらいを学費にかけるか
世帯年収に対して学費が占める割合を調査した結果では、平均約16%でした(令和2年度、日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果」)。私立中学で必要な年間140万円が年収の16%になるのは年収875万円なので、先ほどのボリュームゾーンとも一致します。
年収が低いほど学費が占める割合は高くなる傾向があり、さらに私立に通わせるとなると家計への影響は無視できなくなります。
私立にはたくさんのメリットがありますが、だからといって公立がだめというわけではありません。それまでの貯蓄とも相談し、無理のない範囲で計画を立てるようにしましょう。
文/編集・dメニューマネー編集部
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(2022年1月26日公開記事)