シングルファーザー(父子家庭)はシングルマザー(母子家庭)より少ないとはいえ、20万世帯以上あるとされている。一般的に、母子家庭よりも金銭的に余裕があると思われがちな父子家庭だが、受けられる制度に違いはあるのだろうか?
生活の助けになる5つの制度
シングルファーザーが受けられる制度の例として、次の5つがある。
制度1 児童扶養手当
生活の安定などを目的に、ひとり親に支給される手当だ。
扶養する子どもの人数に応じた所得制限があり、制限以下であれば手当を受けられる。たとえば、子ども1人の場合の手当額は、全部支給で月額4万1,720円、一部支給で9,850〜4万1,710円であり、所得に応じて決まる。
以前は母子家庭のみ対象だったが、2010年からは父子家庭も利用できるようになった。
制度2 ひとり親家庭等医療費助成
ひとり親家庭の保護者や子どもにかかる治療費のうち、健康保険が適用された後の自己負担額、または自己負担額の一部を代わりに支払ってくれる制度だ。保険のきかない医療費は支給されない。
支給を受けるには、生活保護を受給していないことなどが条件になる。
児童扶養手当と同じで所得制限があり、所得の条件は市区町村によって異なる。
制度3 家賃補助
自治体が家賃を補助してくれる制度。そもそも家賃補助制度があるか、どれくらいの金額を補助してくれるかは、自治体によって異なる。
たとえば東京都世田谷区では、世田谷区内に1年以上在住していることや、住む人の所得を合算した金額が月額15万8,000円以下であることなどを条件に、家賃が月額最大4万円減額になる制度を用意している。
制度4 交通費の割引制度
ひとり親家庭の保護者が、公共交通機関の交通費を割引してもらえる制度だ。児童扶養手当を受給していることを条件としており、自治体によっては子どもも割引の対象になる。
たとえばJRの通勤定期乗車券は3割引で購入でき、私鉄電車や市営バスなどでも割引を実施している自治体がある。
制度5 自立支援教育訓練給付金
ひとり親家庭の経済的な自立を支援する制度だ。気象予報士試験や自動車整備士、理学療法士など、教育訓練の対象となる講座を修了したときに、かかった費用の60%(上限は修学年数×20万円、最大80万円)が給付される。
児童扶養手当の支給を受けている、もしくは同等の所得水準にあることと、適職に就くために教育訓練が必要であると認められることが条件になっている。
以前は母子家庭のみ利用できたが、2013年からは父子家庭も対象になった。
シングルマザー限定だった制度が、シングルファーザーも対象に
上で紹介した「児童扶養手当」や「自立支援教育訓練給付金」のように、以前は母子家庭しか受けられない制度があった。
しかし父子家庭においても、ひとり親になる前と比べて収入が減り、金銭的に苦しい状況になり得ることもあってか、制度の対象が父子家庭にも拡充されてきている。
父子家庭の経済支援で悩んでいる場合は、まずは自治体の申請窓口に相談してみるのも良いだろう。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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