「貯金ゼロ」の人は、じつは結構多い。日本銀行が事務局を務める「金融広報中央委員会」が2020年8〜9月に実施した調査のデータから、世代別の貯金ゼロの人の割合を知ることができる。老後が近づく50歳代でさえ、41.0%という数字だ。ほかの世代はどうだろうか。
世代別の貯蓄ゼロ率を紹介
早速データを参照していこう。以下は「『家計の金融行動に関する世論調査』[単身世帯調査](2020年)」から抽出した各世代の貯金ゼロの人の割合だ。
各世代における貯金ゼロの人の割合 | ||
---|---|---|
世代 | 貯金ゼロの人の割合 | |
20歳代 | 43.2% | |
30歳代 | 31.1% | |
40歳代 | 35.5% | |
50歳代 | 41.0% | |
60歳代 | 29.4% |
最も割合が高いのは20歳代で43.2%となっている。だが、若いほど割合が高いかといえばそうではない。20歳代に次いで割合が高いのは50歳代で、41.0%となっている。
こうした数字からは、リタイア直前の時期においてなお、老後の生活資金に不安を抱えている人は決して少なくないことが分かる。
世代別の貯金額の平均値は?
ちなみに先ほどの調査では、世代別の貯金額の平均値も明らかにされているので、参考までに紹介しておこう。
世代別の貯金額の平均値 | ||||
---|---|---|---|---|
世代 | 100万円未満 | 100〜200万円 | 200〜300万円 | 1,000万円以上 |
20歳代 | 28.3% | 8.8% | 4.8% | 1.7% |
30歳代 | 19.9% | 9.4% | 5.9% | 9.1% |
40歳代 | 15.2% | 5.9% | 4.3% | 17.3% |
50歳代 | 10.4% | 4.8% | 3.3% | 20.2% |
60歳代 | 9.1% | 5.0% | 3.3% | 32.2% |
こうしてみると、50歳代は41.0%が貯金ゼロと高い割合だったが、1,000万円の貯金がある人の割合は20.2%と決して低くない。つまり50歳代では、貯金が全くない人と、まとまった額を貯金している人で二極化が起きているといえるだろう。
貯蓄ゼロだと老後はどうなる?
貯金がゼロのまま老後に突入すると、周りが定年退職している年齢になっても働き続けなければならない。そして年金を支払ってこなかった人の場合は、生活はかなり苦しくなる。最後は生活保護というセーフティネットもあるが、いずれにしても金銭的に豊かな老後は期待できない。
そうならないために、若いころからしっかりと貯蓄をしたり、資産運用で資産を増やしたりしておくことが重要だ。皆さん、抜かりない準備を。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
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