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年収1200万、貯金ゼロの51歳独身貴族 家計改善の方法は?

2022/03/27 20:00

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現役FPが徹底解説 40代・50代向け資産運用講座 第2回 この連載では、現役ファイナンシャル・プランナー(FP)が「40代〜50代の投資初心者」に向けて、実際の相談事例をもとに、資産運用のイロハを解説していきます。本日の相談者はこちらです。 相談者(Aさん)プロフィール 性別:男性 年齢:51歳 年収:1200万円

現役FPが徹底解説 40代・50代向け資産運用講座 第2回

この連載では、現役ファイナンシャル・プランナー(FP)が「40代〜50代の投資初心者」に向けて、実際の相談事例をもとに、資産運用のイロハを解説していきます。本日の相談者はこちらです。

相談者(Aさん)プロフィール

性別:男性
年齢:51歳
年収:1200万円
属性:サラリーマン、独身(婚姻歴なし)
貯金ゼロ(生活資金用の普通口座には若干の現金あり)

高収入であっても貯金が少ない人は意外と多い

Aさんは年収1200万円もある高収入サラリーマンですが、貯金が全くありません。実は、「高収入であっても貯金がゼロもしくはほとんどない」という人は意外と存在します。収入が高いと、どうしても生活水準も高くなってしまい、手元にお金が残りにくいためです。

とはいえ、Aさんは手取り収入が900万円前半くらいになるはずで、扶養家族もおらず、教育費負担もないため、貯金ゼロというのはかなり問題がある状況です。家計を改善して、貯蓄を増やすところから始めるべきでしょう。

お金持ちになりたい人が望む答えは単純な数式にあり

特にAさんの場合は、自分自身で「資産を増やすための方程式」を腹の底から理解する必要する必要があるでしょう。「資産を増やすための方程式」は、以下の簡単な数式で表すことができます。

資産=(収入−支出)+(運用額×利回り

「お金持ちになりたい」という世界中の人が望む答えは、この四則演算で構成された単純な数式に詰まっているわけです(しかも割り算はありません)。したがって、「資産を増やすための方程式」の要素は、以下の4つに分解できます。

1 収入
2 支出
3 運用額
4 利回り

このなかで、ひとつだけ「自分でコントロールできる項目」があります。それはどれでしょうか?

答えは「支出」です。収入や運用額は簡単に増やせるものではありません。利回りも自分でコントロールできるわけでありません(債券であれば利回りが確定しているように思うかもしれませんが、信用リスクを背負っていますので、償還するまで最終的な運用利回りが確定するわけではありません)。

しかし、支出は自分次第で下げることができます。幸いAさんの年収は1200万円と非常に高いので、うまく支出を下げて黒字を生み出し、それを運用に回せば、60歳時点で何千万円という資産を作ることも夢ではないでしょう。

「貯金のできない高所得者」が陥る4つの罠

それでは、どのように支出削減を進めていけば良いのでしょうか。まず行いたいことは、支出の一覧表を作ることです。実際はもう少し細分化したいところですが、イメージとしては以下画像のようなものです。Aさんのようなタイプの場合、家計簿は付けていないでしょうから、まずは記憶ベースのラフな一覧表で構いません。

日本FP協会 貯蓄力がわかる 家計の収支確認表
(画像=日本FP協会 貯蓄力がわかる 家計の収支確認表)

家計の“可視化”の効果を侮ってはいけません。一覧化することで「どの分野にどれくらいの支出をしているか」がひと目で分かります。一覧化ができたら、バシバシと家計の見直しを行なっていきましょう。

家計の見直しと聞くと、「まずは固定費を見直せば良いのかな」と思った人もいるのではないでしょうか。固定費を削減すると、その効果が半永久的に続きますので、効果的であることは間違いありません。しかし、私の経験上、「貯金のできない高所得者」になってしまう人は、以下の4つのどれか(もしくは複数)に当てはまることがほとんどです。該当する人は、作った一覧表と見比べてみてください。

・住居費(高い家賃の部屋に住んでいる)
・クルマ(高級車に乗っている)
・外食費(外食ばかりしている+いつも奢っている)
・趣味(お金のかかる趣味に大金を費やしている)

家計を可視化できたとしても、実際に生活を変えていかないと、家計は改善しません。本気で貯金をしたいのであれば、何かを大幅に削減する必要があるでしょう。誰にでも「ここは譲れない」という最低ラインがあるはずですので、自分のなかで優先順位を決めて、支出を削減していきましょう。

同時並行で行いたいのが天引き貯蓄

支出の見直しと同時並行で行いたいのが天引き貯蓄(強制貯蓄)です。残念ながら、Aさんのような浪費癖がある人は、自分を律しきれず、また浪費生活に戻ってしまう可能性があります。

そこで、お給料が入ってきたら、お給料の一部を別の貯蓄用口座に強制的に移してしまうのが良いでしょう。Aさんの場合は、まずは確実に月10万円を天引き貯蓄したいところです。慣れてきたら、天引き貯蓄の額を月15万円、月20万円と増やしていきましょう。

これはAさんに限った話ではありません。天引き貯蓄はほとんどの人に有効な資産形成方法です。「自分は無駄遣いしないから大丈夫」と思わずに、積極的に天引き貯蓄を活用するようにしてください。

文・菅野陽平(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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