一人暮らしの世帯の割合は、過去20年間で最も高い38.0%となっています(2020年国勢調査)。未婚の割合も男性が34.6%、女性が24.8%で高くなっており、今後も単身世帯が増えると予想されています。このような状況下で、特に単身の女性が老後に備えるためには、いくら貯蓄を用意しなければならないのでしょうか。
毎月の生活費はいくら必要?平均は約13万円
老後、65歳以上になると生活費はどのくらいかかるのでしょうか。
月の平均消費支出額を見ると、13万3,146円です(2020年家計調査報告)。しかし、この調査における月平均の住居費は1万2,392円と低くなっており、賃貸ではなく持ち家に住んでいる人が多いと考えられます。
つまり賃貸物件で生活をする人は、13万3146円だけではなく、さらに家賃分を加えて計算する必要があります。
年金はいくらもらえる?
老後の収入といえば年金を思い浮かべると思いますが、加入していた年金によって受け取る年金や額が違います。
たとえば、国民年金に加入していた人は受け取るのは老齢基礎年金ですし、厚生年金や共済年金に加入していた人は、老齢基礎年金と老齢厚生年金または退職共済年金です。
厚生年金の平均月額は、老齢基礎年金込みで14万4,366円でした(2021年厚生労働省年金局発表)。
さらに女性だけを見ると、平均月額は65歳以上で10万9,205円。国民年金のみの場合は5万6,252円です。
支出が13万円なのに、年金は5万円か10万円程度で、足らないことが分かります。
少なくとも660万円の貯蓄が必要!
女性の平均寿命は87.74歳ですので、65歳から年金を受け取り、平均寿命の88歳までで計算してみましょう。
毎月の不足額が22年間でどれくらいになるかというと、厚生年金がある女性では、少なくとも660万円ほど足りません。国民年金のみの女性は2,120万円も足りません。
不足分を貯蓄しておく必要があるわけです。今後、年金額が減る可能性や毎月の家賃、入院、冠婚葬祭、趣味への支出などを考えると、さらに多くの貯蓄が必要になるでしょう。
「住居」の確保が重要?今から家計を見直してみよう
老後の支出を抑えるには、家計に占める割合の高い「住居」を確保しておくと良いかもしれません。老後までに住宅ローンを終わらせる予定を立てたり、賃貸であれば家賃分の貯蓄を考えたりしておきましょう。
老後に困らないために、今から貯蓄や投資などに目を向けてみてはいかがでしょうか。
文・山村望愛(ライター)
編集・dメニューマネー編集部
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