4月から高校の家庭科で、「資産形成」に関する授業が始まるが、ほとんど知られていない。投資に関心ある人を対象にした調査でさえも、3割ほどの人しか知らなかった。
これまでにも家庭科でお金の授業はあったが、収入と支出のバランスや、買い物をする際に気をつけることなど、消費者目線の内容が中心だった。2022年度からのカリキュラムは、具体的にはどのようなものなのだろうか。
「資産形成」の授業の2つのポイント
新しい学習内容の軸は2つあり、「家計管理の基本の理解」と「生涯を見通した経済計画」だという。
1 「家計管理の基本」を理解する
「家計管理の基本の理解」については、収支バランスの重要性だけでなく、子どもの教育や住宅の購入、老後への備え、さらには事故や病気、失業などのリスクへの対応が必要であることを学ぶ(高等学校学習指導要領 家庭編より)。
預貯金、民間保険、株式、債券、投資信託などの基本的な金融商品のメリットとデメリット、資産形成の視点にも触れるという。
2 「生涯を見通して経済計画」を立てられるようにする
もう一つの「生涯を見通した経済計画」については、具体的な事例を通して、より実践的に家計管理の方法を学ぶ。
例えば、ライフステージごとのリスクを考え、そのリスクを軽減するための保険を選ぶ授業が挙げられる。その他に、住宅ローンの金利や返済方法を学ぶ授業も想定される。
ゲームで「資産運用」を学ぶ高校も
2022年度に先駆けて、資産運用がテーマの特別授業をした高校もある。
教材として開発された資産形成のゲームは、収入のうちいくらを債券や株式投資に回すかを考え、65歳まで資産を増やすことを目指すというもの。資金が増えることもあれば、証券会社が倒産するといった、思わぬ出来事で減ることもあるという。
子供からお金の質問されるかも?
親世代にとって「お金」や「投資・運用」については、「学校では教えてくれないこと」の代表格だった。
しかしこれから「資産形成」の授業が本格化すれば、子どもから「うちは資産形成できてる?」「お父さん、お母さんは何に投資してるの?」、はたまた相場の見通しについて聞かれる機会も増えるかも──。
その時、しっかり答えられる自信はありますか?
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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(2022年2月6日公開記事)