お笑い芸人のエスパー伊東さん（61）が、認知症を発症して老人ホームに入居していることが報じられた。もし自分の親や、将来的には自分が入居することになったら、費用はいくらかかるのだろうか。

老人ホームでかかる2つの費用

老人ホームでかかる費用は、「入居一時金」と「月額費用」の2つに大きく分かれる。

入居一時金の費用相場

「入居一時金」とは、入居時にまとめて支払う前払い金だ。

社会福祉法人などが運営し、介護保険が適用される「特別養護老人ホーム」では、一般的に入居一時金がかからない。ただ、要介護2までの高齢者で、同居する家族がいると、基本的には入居できないので注意が必要だ。

主に民間企業が運営する「有料老人ホーム」などでは、入居一時金がかかる場合がある。複数の老人ホーム検索サイトをもとにすると、一般的には数十万円から数百万円かかるが、1,000万円以上にのぼる施設もあるという。

月額費用の相場

「月額費用」とはその名のとおり、月々に発生する費用で、居住費や食費、水道光熱費、医療費、外部の介護サービスにかかった費用などが含まれる。

「特別養護老人ホーム」の月額費用の相場は、5万〜15万円程度。

自治体の助成を受けて運営している「ケアハウス」は、比較的低い費用で入居でき、9万〜30万円が相場だ。

「有料老人ホーム」などの民間施設の相場は、10万〜35万円である。

万が一費用を払えなくなった場合は、他の老人ホームに転居する、入居者の子どもが支払う、または身寄りがなければ生活保護を受けながら入居するといった対応が求められる。

老人ホームの費用は年金だけで足りるのか？

少し古い資料になるが、2019年度の時点では、国民年金の平均受給額は月額5万6,049円、厚生年金は月額14万6,162円だ。

老人ホームの中には、入居一時金がかからず、月額費用が10万円前後のところもあるため、厚生年金の受給額によっては入居できる可能性がある。

ただ、国民年金だけで賄うことはあまり現実的ではないため、資金の備えが重要と言える。

文・廣瀬優香（フリーライター）
編集・dメニューマネー編集部

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（2022年2月7日公開記事）