飲食や接客、金融業界では、2月と8月は閑散期にあたり、仕事が暇になるという経験則から「ニッパチ」と呼ばれます。ところが日経平均についていうと、2月は1年で最も上昇する勝率の高い日があります。
勝率80% 1年で最も勝率が高い特異日は「マボロシ」
1年で最も日経平均が上昇する確率が高い日が2月にはあります。それは2月11日です。
どのくらいの確率かというと、終戦後の1949年5月に東京証券取引所が再開されてから2022年1月までの間で、なんと80%です。こうした偶然とは言えないような数値が出る日のことを「特異日」といいます。
勘の良い人ならお気づきでしょうが、2月11日は祝日のため東京証券所では取引は行われていません。
タネを明かすと、建国記念日が祝日になったのは1966年で、80%の確率というのは、1950年からわずか15回分の統計にすぎないのです。
株価が上昇する時には取引が活況になりますが、2月の特異日はどうやら統計的には参考にできない、幻の特異日と言えそうです。
株式市場でも「ニッパチは閑散」といえるのか
小売などでいわれる「ニッパチ」は株式市場に当てはまるのでしょうか。
2月と8月の東証の売買高を検証してみると、2021年2月の東証1部の月別売買高は約282億株。営業日数が少ないにもかかわらず5番目に売買が多い月です。
最も売買高が多いのは3月の約376億株ですが、これは年度末のため取引が増えるの理由は察しがつきます。
ところが、8月は7月に次ぎ2番目に売買が少なく、こちらは確かに閑散といえます。お盆や夏休みで機関投資家の動きが鈍くなることがその要因と思われます。
生活様式が変わり、通説や常識が通用しなくなるということはたくさんあるでしょう。かつて飲食や接客、金融業界で言われた「ニッパチはヒマ」も、いつまでもそうとは言えません(もしかしたらこれらの業界でも、この通説が既に過去のものになっているのかもしれません)。
株式市場でも、こうしたことは起こり得ます。ネット取引がどんどん増えていますし、今後取引時間も延長されると言われています。そうした変化にともなって、これまでなかった通説が生まれるでしょう。
文・高村阿木夫(現役銀行員のマネーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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