公的年金が減少傾向にある今、自分自身の老後や親の老後を考えたとき、年金だけで生活できるか不安に思う人は多いはず。年金が上乗せされる制度の活用も検討してみてください。
「年金生活者支援給付金」で年金が上乗せされる
「年金生活者支援給付金」とは、公的年金やその他の所得の合計額が一定以下だと、上乗せして年金がもらえる制度です。消費税引き上げにともない2019年10月からスタートしました。
主に老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金がありますが、今回は老齢基礎年金について解説します。
給付額は月額いくら?
上乗せされる給付額は、月額5,030円を基準に、保険料納付済期間や保険料免除期間を加味して計算されます。
具体的には、次のA、Bの合計額です。
A:5,030円×保険料納付済期間/被保険者月数480月
B:10,845円×保険料免除期間/被保険者月数480月
免除期間がなく、保険料納付済期間が480月なら、5,030円が支給。免除期間がなく、保険料納付済期間が480月より少なければ、月数に応じて5,030円から減額されます。
その他、免除期間があることで、給付額が5,030円より多くなることもあります。
保険料納付済期間は、年金証書や支給額変更通知書等で確認でき、1941年4月1日以前に生まれた方は、被保険者月数が生年月日によって変動します。
3つの支給要件を満たすことが条件
「年金生活者支援給付金」を受け取れるのは、次の3つの要件を満たす人です。
1.65歳以上の老齢基礎年金の受給者。
2.同一世帯の全員が市町村民税非課税。
3.前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が88万1,200円以下(77万9,900円超87万9,900円以下なら、補足的老齢年金生活者支援給付金の対象)。
支給要件を確認した上で、「年金生活者支援給付金」の活用を検討してみてください。日本には、生活が苦しい人を支援する制度がいくつもあり、制度を利用することは立派な権利です。公的制度も上手に活用しながら、穏やかな老後生活を送りましょう。
文・木崎涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
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