NISAは投資で出た利益に税金がかからないお得な制度なので、せっかくなら最大限にメリットを得たいものです。税金がかからない期間は、長期運用を前提にして持ち続ける人も多いと思いますが、期間には終わりがあります。その後はどうするのがいいのでしょうか。
選択肢は2つある
税金がかからない期間が終わった後については、選択肢は2つあります。まだ売らずに運用を続けたいという場合には、「課税口座への移管」か「ロールオーバー」のどちらかを選びます。
なお税金がかからない期間とは、一般NISAなら5年、つみたてNISAなら20年です。
選択肢1の「課税口座への移管」とは、通常の課税される証券口座などに資産を移して運用を続けること。もう一つの選択肢である「ロールオーバー」とは、その年の分のNISA枠を使って(場合によっては新たに買い付けをせずに)運用を続けることです。
課税口座への移管とロールオーバー、どちらがお得なのか
どちらを選ぶといいのか、一般NISAの場合で考えてみましょう。分かりやすくするために、NISAの非課税期間が5年なので、「2017年に投資した分」と「2022年に投資する分」の2年分だけ見ていきます。
2017年に120万円投資して年利3%で運用していたとすると、非課税期間が終わる2021年末には約139万円になっています。その後、どうするか。2つの選択肢それぞれでいくらになるかを計算してみます。
選択肢1 「課税口座に移管」した場合
2017~2021年の間に生まれた利益の約19万円は非課税です。課税口座に移管後、139万円以上になった場合にその分だけ課税されます。
2022年分のNISA枠は未使用なので、新たに買い付けできます。ここでも120万円投資したとしましょう。同じく年利3%で運用すると、5年後の2026年末には約139万円になるので、非課税になる利益はあわせて約38万円です(19万円×2)。
選択肢2 「ロールオーバー」にした場合
2022年分のNISA枠を使い、139万円を全額ロールオーバーします。同じく年利3%で運用を続けたとき、5年後の2026年末には約161万円になるので、非課税になる利益は約41万円です。
移管した場合の利益(約38万円)よりも、3万円ほど高い利益が得られる計算になりました。この差はなぜ生じたのでしょうか。
答えは「複利」によるものです。
生まれた利益も含めて資産運用をしていくので、利益が雪だるま式に増えていきます。そのため、5年分の利益が乗った状態でロールオーバーしたほうが最終的な利益も大きくなったのです。
毎年同じだけの利益が得られる前提での計算なので、実際はこれとは違った結果になるでしょう。しかし複利について知っておくと、有利に資産運用ができる可能性が高まります。
文/編集・dメニューマネー編集部
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